2ndA‘s編
第十四話〜覚悟と意思〜
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苦虫を噛み潰したように顔を顰めていた。
『……?』
その沈黙の中、リンディは未だに行動を起こさないライを疑問に思い始める。
時間がないことを考えれば、今すぐにでも行動を起こしそうであるのだがそれをしないということは、彼は行動を起こせない何かがあるということだ。
そして、これまでの彼の言葉を思い出し、彼女は一つの答えにたどり着いた。
『貴方は私たちに何をして欲しいの?』
彼女はライが自分ひとりでは結果を出せないと言っている事に気付いたのだ。
そして、ライ自身は諦めることではなく、立ち向かうという選択を自らの意思で選んでもらう為に彼女たちとの会話を優先した。
「感謝する」
短い感謝の言葉。簡素ではあるが、そこには確かな喜の感情が込められる。
(律儀な人ね、それにとんでもないお人好し…………上から目線ではあるけれど)
内心でそんな事を考え、最後に毒づきながらも、彼女はライからの言葉を待つ。
「まず、前提として今闇の書の人型は腕の再生を行っていない」
ライの言葉に合わせるように、ライとなのはの中間地点の空間に映像ウィンドウが開かれる。そこには、今現在の人型のライブ映像が映されていた。そこに映る人型はライの言葉通り右腕が切られた状態を放置し、今もその壁のような断面を見せていた。
「そしてあの人型は管制人格の代わりだ。だが、再生を行っていないということは、あくまであれは急場しのぎの使い捨てだと予想できる」
『少し待ちなさい。そもそもどうして管制人格は取り込まれたというのですか?』
「…………彼女は滅ぶことではなく、生きることを望んだ。それをエラーと――――機能不全と受け取った闇の書が彼女から自己防衛権限を奪った」
それを聞かれたライは少し顔を顰めたが、正直に答える。それを聞いたリンディは今度こそ目を見開いて驚いていた。
「それについての追求は後にして欲しい。――――彼女からその権限を奪う際に、闇の書のシステム音声はこう告げた『自己防衛権ヲ防衛プログラム、ナハトヴァールニ移譲』と」
ライの言いたいことを理解しきれないのか、その話を聞いている二人は、一様に首を傾げる。そしてそんな二人にライは結論として自分の考察をまとめとして告げる。
「人型が彼女の代理であるのであれば、人型を破壊、若しくは行動不能にし元の管制人格を引きずり出す」
『例えそれができたとしても世界の崩壊は――――』
「闇の書の暴走の原因は異様な改造を受けた防衛プログラムだ。少なくとも人型が防衛プログラムの一部である以上はあれにダメージを与えることで時間稼ぎにはなる」
ある意味で追求すべき部分が多々ある説明ではあったが、一応の筋は通っている。そう感じることができる説明
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