暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
2ndA‘s編
第十四話〜覚悟と意思〜
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テムと、それによってCの世界から得られる潤沢な魔力による肉体の再構成――――つまりは修復を並行して行なっているからである。

「そんなことよりも今こちらで、地下からマグマらしきものが吹き出ているのを視認しているがあれは?」

『……恐らくは闇の書によるその世界の崩壊の兆しだと思われます』

「リミットまでの猶予は?」

 画面の向こうで苦虫を噛み潰したような彼女に構うことなく、ライは必要な情報を聞き返す。

『過去のデータもハッキリと残っているわけではないので、確かな事は言えませんが恐らくもうそれほどの時間は……』

「あまり時間は無いか……だが、やることは変わらない」

 最後にライが呟いた一言にリンディもなのはも絶句する。だが、本人も言ったとおり時間がほとんどない為、ライは二人に自分の案を口にしようとする。

「まず――――」

『ちょっと待ちなさい!』

 だが、説明に入ろうとしたライの言葉は画面の向こうにいるリンディに止められる。それを若干煩わしく感じながらも、ライは落ち着いた表情を貫いた。

「何か?」

『話を聞いていなかったの?!もう時間はないのよ!すぐに退避を――――』

「ふざけるな」

 今度はライが彼女の言葉を遮る。だが、その言葉に含まれた感情は彼女の“焦り”とは違い明確な“怒り”であった。

「退避?事情を把握している人間だけ?闇の書が繰り返す歴史から?」

『現実を見なさい!今貴方に、いえ私たちに何ができるというの!?打開策なんて――――』

 既にリンディの中ではライが正気を失っていると考えているのか、その言葉はどこか彼を諭すような言い回しであった。

「事情を知らない数億の命を救える。例え偽善だろうと、自己満足だろうと、押し付けであろうと、命を救うことには意義がある」

『理想論よ。そんな不確かなものに命をかけるなんて狂ってるわ』

「違うな。手に負えないと諦め、逃げ、それを正当化したところで後に残るのは後悔だけだ。そんなものを繰り返すことを最善と呼ぶほうが狂っている」

『っ!貴方にっ!!………』

 ライの言葉に反射的に怒鳴りつけそうになるリンディ。しかし、それもこれまでの自分たちの行動を全て否定されるような言葉であったのだから無理もない。更に言えば、彼女だけでなく、闇の書に苦渋を舐めさせられた人々全てを咎めるような物言いでもあったのだから、リンディが冷静さを失い叫びそうになるのも無理はない。
 だが、ここで感情的に叫びそうになった彼女も、それがただの八つ当たりである事を察し黙り込むこととなった。
 嫌な沈黙が数秒続く。ライは未だにその目に力強い意志を込めながら黙し、なのはは二人の大人が怒鳴り合っている事にオロオロし、そしてリンディは
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