2ndA‘s編
第十四話〜覚悟と意思〜
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の言葉を向けてくる彼女に苦笑しそうになりながら、ライは最後に彼女と別れた時のように二、三度、ポンポンと彼女の頭に手を乗せた。
少しだけ和んだ空気が二人を包むが、そんな時間も長くは続かない。
「「!」」
地が揺れ、コンクリートの舗装に罅が入る。そして振動により海水が海沿いの道路の基盤となっている岩の壁に叩きつけられ、その飛沫を盛大にコンクリートの地面にぶちまけた。
その飛沫を少しだけ被った二人は急な事に一瞬焦り、キョロキョロと辺りを見回す。そして二人は振動の原因をそれぞれ見つけていた。
「……石が生えてくる」
なのはは生まれ育った街から見える海に、見慣れない岩の針が海から突き出ていることに呆然とするしかなかった。
「火の柱……いや、マグマか?」
一方でライの方は街の方に目を向け、そこから吹き出すように天に登る紅い柱を見上げていた。
突然起こり始めた天変地異。それが今の状況で起こることにどんな意味があるのかを考え始めると、二人の元に通信ウィンドウが開かれる。そこに映っていたのは、未だ私服のまま指揮を続けるリンディであった。
『なのはさん!無事ですか?!』
「は、はい!」
かなり焦った様子の彼女が発した第一声がそれであった。その彼女の声音にビクリと肩を揺らし、気圧され気味になのはは返事を返す。そのやり取りにどんな反応をするべきか分からなかったライはその二人のやり取りから視線を切った。
(…………腕は再生していない、か)
視線を切ったライの目は自然と海上にいる人型に向かう。
人型はレンジ内から消えたなのはを見つけようとすることもせず、ただ佇んでいる。その姿をよくよく観察すると、その人型は女性的な身体のラインと膨らみがあり、どこかギリシャ彫刻を連想させるほどバランスのとれた身体を持っていた。
しかし、それも断ち切られた右腕と、いつの間にか再生している杭を再装填している左腕のデバイスによりただただ不気味なだけであったが。
『ライ・ランペルージさん』
「ん?」
人型とそれに寄り添うように浮かぶ夜天の書に向けていた視線は、自分の名前を呼ばれることで再び戻すことになった。
『先ほどまでの戦闘はこちらでも確認しています。見たところ平然としていますが、腹部の傷は?』
「今は止血とバリアジャケットのおかげで特に戦闘に支障はない」
ほぼ即答で答えたが、それは真っ赤な嘘だ。今現在、痛みは脈動するように脳に痛みを伝えてくる。気を抜けば簡単に膝が折れそうになるほど披露と痛みが、ライの身体を苛んでいた。せり上がってくる血を飲み込む作業も既に二桁を超えている。
それでもしっかりと立っているのは、蒼月とパラディンの二機が揃ったことで使用できるチューニングシス
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