第六章 正義の在り処編
第二百話 『男達の壮絶なる戦い』
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いをしていて力も同等ということになり、
「………やるな」
「ゼスト殿。あなたこそ!」
ただただゼストはジグルドの力と技量を冷静に褒めて、ジグルドもゼストの腕に改めて感銘を覚えていた。
そして始まる。
剣戟による激しい武器のぶつかり合いが………ッ!
ジグルドはアスカロンを何度も振り回し剣戟をぶつけていく。
それに対してゼストは水平に構えて槍による刺突を繰り返し連打する。
剣戟と刺突。
本来はかみ合わない異なった攻撃が二人の技量の高さゆえに高次元戦闘を演出している。
何度もぶつかっては一回距離を置き、再度お互いに突撃を開始する。
そんな過激な戦いがどれくらい続いただろうか……?
「ふぅ、ふぅ………」
「はぁ、はぁ………」
ジグルドとゼストは互いに多少の荒い息を吐き、だがしかし負けじと剣と槍を衝突させる。
その戦いをレジアスの護衛として間近で見ていたランにレン、ギンガはその高次元の戦いに魅せられていた。
「すごい、戦い………! 私とバルムンクじゃまだあそこまで到達するのは無理そうだね……」
《マスターの発言には異を唱えたいところですが遺憾ですが認めましょう。私達はまだあそこには届かないでしょう》
ランとバルムンクはそんな会話をしていた。
「ねぇ、アウル? あの攻撃を受け止められるようになったら僕も強くなれているかな………?」
《それはマスター次第です。しかし、すでにマスターは強くなれていますよ。だからもっと上を目指しましょう。遥かなる壁が我らを待っています》
「そうだね、アウル!」
レンもアウルヴァンディルとそんなこれからの成長を予感させる会話をしていたのだった。
そしてギンガはというとランとレン、二人のそんな会話を聞いていて、
「(ランとレン君……。ゼストさんとジグルド提督の戦いに触発されてまた一歩強くなったわね。かっこよくなってね………レン君!)」
ギンガはランとレン………いや、正確には特にレンを応援していた。
想いを寄せる相手であるがゆえに……。
そして二人の戦いは終盤に入ったのだろう。
「まだだ………まだ倒れんぞ。そしてこの戦いをもっと続けていたい! こんな心の底から楽しめる戦いは初めてだからな!」
ジグルドはその表情はとても爽やかなものだった。
「………続けたければ投降しろ。ジグルド。そうすればいつでも模擬戦でできるのかもしれないぞ?」
ゼストがそう言ってジグルドを説得する。
しかしその言葉で正気に戻ったのだろう、ジグルドは「いえ………」と言って首を振り、
「私にはもうそんな未来は残されていないのですよゼスト殿………。だから、ここで決めさせてもらう! 行くぞ! フルドライブ!!」
「引き際を誤ったようだな、ジグルド。ならば…
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