暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
許す慈悲は人殺しを育てる
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ぐさま木から下りて、鬼童丸の首を狩り取り、ネジに兵糧丸を食わせる

・・・あ、気絶しているのに食わせて詰まらせたりしないかな

全然考えてなかった

チョウジの時と同じように狐火信号弾を打ち上げると、先ほどとは違い、返事の信号弾が打ち上げられた

どうやら、チョウジは医療班によって搬送されている最中らしいな

この早さならネジも大丈夫だろう

2人の首を持って再び走り出す


「・・・いやはや、まるで死神のようだ」


イヒヒと笑われ、首をかしげる

何が死神なのか

黙って見上げていると、また嫌な笑い声を上げられた


「巫子さん、アンタは人を殺すことに疑問を持たないのかい?
 ・・・怖くは、ないのか?」


疑問?

怖い?

そんなもの、あるにきまってるじゃないか

だけど


「誰かの死よりも、殺しへの恐怖よりも、自分が死ぬ方が怖い」


誰だってそうだろう

まずは自分ありき、自分の生存があってこそ人は誰かと関わる

自分が死んでしまっては、何も出来ない

だからこそ??


「オレは生きたい、夢に生きて死んでいきたい」


たとえ早死にすると言われても、忍を止めろと言われても

忍になるという夢をあきらめたくない

夢のためなら、そのためなら??


「死んでも良い」


「・・・本末転倒とはこの事、かねえ」


・・・何を呆れたような目で見ているんだお前は


切り倒された森を迂回し、走り続けると森を抜けると草原が広がっていた

ナルトが立ちつくし、君麻呂が乱入者であるオレを警戒している

鴉は桶のはるか上空を旋回して、これから起こるであろう場面を待ち望んでいるかのように笑った


桶から煙が出て、サスケが出てきた

異形の姿は一瞬だけ、元のサスケに戻ると、ナルトの制止など聞く耳持たぬといったように走り去る

ナルトがその後を追い、邪魔しようとする君麻呂に次郎坊の首を投げつける


「・・・?
 次郎、坊?」


一瞬だけひるんだすきに、ナルトは走り去った

・・・小刀を構え、君麻呂と対峙する

身を隠す森に移動は出来なさそうだ

真正面からの真剣勝負・・・起爆札は三枚だけ、毒の塗ったクナイも手裏剣も十に満たない

今から毒を調合する事も出来ず、あるのは痺れ薬の塗った予備の小刀


「・・・ふむ、傷一つないところを見れば、君が倒した訳じゃないようだ」

「・・・ただ単に後始末してきただけさ」


叩きつけられた骨の刀とそれを受け止めた小刀から、甲高い金属音が響きわたる


「! あーもう、血継限界キライ!!」


叫ぶと血が飛び散
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