第四章
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「お魚とか鳥とか鼠とかね」
「どれを食べていいのか、駄目なのかをだね」
「教えてもらってるよ」
「それで食べたら駄目なものは」
「食べないよ」
そうしているというのです。
「それで蛇は美味しいけれどね」
「それでもなんだ」
「蝮は毒があるよね」
「うん、だから僕も気をつけろって言われてるよ」
兎であるピーターにとって蝮は物凄く怖い相手です、兎は蝮に食べられる大きさではないですが毒があるので機嫌を損ねたらです。
「噛まれて毒にやられるからね」
「それでだよね」
「うん、毒がね」
それがというのです。
「怖いから」
「僕も気をつけろってね」
例え食べると美味しくてもです。
「言われてるよ」
「そうだよね」
「蝮を捕まえるのは大人になってから」
トムはピーターに言います。
「お父さんとお母さんにそう言われてるよ」
「そのことは守ってるよね」
「しっかりとね」
そうしているというのです。
「僕だって死にたくないから」
「成程ね」
「ううん、しっかりする理由ってあるんだね」
「しっかりしないと死ぬからね」
マクレガーさんのことも蝮のこともです。
「だからだね」
「そういうことになるね」
「大人になるって生きるってことなのかな」
「そうなのかもね」
こう二匹でお話してでした、二匹は喉が渇いたのでお水を飲みに湖のところに行きました。そしてそこで一緒にお水も飲みました。
そしてです、トムはです。
湖の中にいる小魚を見てです、ピーターに言いました。
「あのお魚は食べられるんだ」
「そうなんだ」
「僕今お腹が空いてるんだ」
「それじゃあだね」
「獲って食べようかな」
小魚を見ながらです、トムはピーターに言うのでした。
「どうしようかな」
「そうしたらいいんじゃないかな」
これがピーターの返事でした。
「そうしたらね」
「そうだね、ただね」
「ただ?」
「僕お魚を自分で獲ったことがないんだ」
トムは自信なさげに言いました。
「これまでね」
「そうなんだ」
「ピーターは草を食べればいいけれど」
兎である彼はです。
「けれどね」
「猫は捕まえないといけないからね」
「僕お魚は獲ったことがないんだ」
「これまではお父さんやお母さんが獲って来たものを食べていたね」
「買って来たものかね」
そうしたものを食べて来たのです、このことはミトンやモペットも同じです。
「そういうものを食べてたけれど」
「自分で獲ったことがないから」
「大丈夫かな」
少し不安気になったお顔での言葉です。
「獲れるかな」
「そのことに挑戦してみる?」
これがピーターのアドバイスでした。
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