19話:玄野計のΨ難
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呼ばれる吸血鬼の事を。
長い話だったので、話の間ゆっくり霊夢が黙ってくれるかどうか不安だったが、空気の読める性格らしくゆっくり霊夢はずっと黙っていた。
‥‥しかし吸血鬼に、星人か。にわかには信じがたいな。
超能力者の僕が言うのもなんだが。
「次の質問。主催者について知っていることは何かあるか?」
「‥‥ああ」
おお、これは意外な展開だ。ゆっくり霊夢も心無しか驚いているようだ。
「あの会場にあった黒い球はガンツと呼ばれている」
それから玄野は有用な情報を幾つも話した。
ガンツには人を転送したり生き返らせたりする機能があること。
その球を転送前にいた会場で操作していた少年西丈一郎のこと。
星人との戦い。
聞けば聞くほど謎が増えていく。玄野の話と僕の記憶には、どうも大きな差異があるのだ。
僕は過去に地球、もしくは人類を救った経験がある。それも六回も。そんな僕が、地球が星人なんて存在に攻められていることに気付かないわけがないのだ。
しかも玄野は星人との戦いの際一般人含め大勢の死人が出ていると語るが、そんなニュースを見た覚えはない。
大体の事を話し終えた玄野は次の質問を待っている。
ゆっくり霊夢は今聞いた話に理解がついていかないのか呆然として言葉を失ってしまっている。だがもう一仕事してもらわないと困る。
「‥‥最後の質問だ。脱出の手段は何かあるか?」
「‥‥いや」
まあ、そうだろうな。この質問はあまりいい答えを期待していなかった。主催の情報が手に入っただけで充分だ。
僕は曲弦糸を解いて巻き取り、立ち上がって玄野の前に姿を現した。
直後、ゆっくり霊夢が叫んだ。
「危ない!!!」
棒読み口調なのは変わらなかったが、その声はテレパシーが使えなかった上に玄野計に集中していたため襲撃に気づかなかった僕を助けた。
突如窓から撃ち込まれた銃弾を僕はサイコキネシスの壁で防いだ。
玄野計にも銃弾は当たっているようだが、何故かまったく効いていない。
「馬鹿な!?」
銃撃と銃声がやむと同時に一人の男の声が聞こえた。
僕は店内の照明を点ける。光が割れた窓の外に漏れ、下手人の顔を照らした。
そいつは、茶色のスーツを着てサングラスをかけた七三分けの男だった。手にはイングラムという名の機関銃を持っている。
玄野はその姿を確認した瞬間激昂し、叫びながら男に襲い掛かった。慌ててイングラムの引き金を引くが、銃弾はガンツスーツに弾かれ、男はそのまま玄野に殴り倒されてしまった。
呻き声を上げながらサングラスが無くなり、割れたレンズで切って流血した顔を上げるがすぐに玄野に胸ぐらを捕まれてしまった。
「ぐっ‥‥」
そのまま殺すのかと思われたが、玄野はムスカを地面に押さえ込んでから
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