19話:玄野計のΨ難
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ら本質的には何かを喋らせる為のものらしい。僕がゆっくり霊夢に喋らせたい言葉を"入力"する。そしてこの喫茶店にやって来た参加者と僕の代わりに対話させる。具体的には質問して相手が答えたら三十秒後に次の質問をするように入力した。ちなみに僕はその間カウンター席の後に隠れている。透視は使えるので何かあったらすぐわかるし、瞬間移動も距離は限られるが出来ることも検証済みだ。
黒い全身タイツの男を拘束するのに念力ではなく曲弦糸を使った理由は、規格外の相手だった場合に少しでも時間稼ぎになるようにするためだ。糸を引きちぎってる間に逃げるぐらいはできるだろう。
いずれにしろ、気は抜けない。
「なんなんだッ! くそッ!」
男は必死に抜けようとしているようだ。その顔をよく見てみると童顔で年は僕とさほど変わらないように思える。
だが、僕は曲弦糸の位置を常に動かし続けている。男はどこに力を入れていいかわからなくなっているはずだ。
「じっとしててね」
ゆっくり霊夢が男を諭す。なかなかいいアドリブをするじゃないか。
やがてゆっくり霊夢は入力された質問を吐き始めた。
「こいつは支給品だ。生首型の読み上げソフトとでも考えてくれればいい。お前のことは暫く拘束させてもらうが、信頼できる人間だと判れば危害は加えないし解放する」
まったく。テレパシーさえ使えればこんな事しなくてすむのだがな。
「‥‥わかッた」
男は抵抗をやめて力を抜く。何を考えたかはわからないが、ゆっくり霊夢に付き合う気にはなったと見える。
「今からいくつか質問をさせてもらう」
ゆっくり霊夢は微塵も変わらぬ棒読み口調で話し出す。
「名前は?」
「玄野計だ」
「お前は殺し合いに乗ったのか?」
玄野は即座に答える。
「乗ッてない」
僕は透視とズーム機能の超能力を使い、玄野計の顔を見る。
‥‥ふむ。嘘をついている顔ではない。服の内側やデイパックも確かめたが、すぐに攻撃できるような武装はしていない。
おっと、三十秒経ったな。次の質問だ。
「乗ってないと答えた場合の質問だ。ここに来るまで何者かに襲われたか否か? 襲われたのならその人物の特徴も答えてくれ」
ちなみにほぼ無いと思うが、乗っていると答えた場合は問答無用で葬るつもりだった。
「ああ。襲われた。アルビノで、ガンツバイクッていう乗り物に乗ッていた。名前はわからない」
‥‥ふむ。
「次の質問。参加者名簿に知り合いの名前はあるか? あるなら詳しく教えてくれ。僕が信用できないから教えたくないのならそうして構わない。もしまだ参加者名簿を見ていないなら一分時間をやろう」
玄野計は少し考えた後、一人の名前を上げた。
「お前に教えられるのは氷川という男だけだ」
そして玄野は語った。氷川と
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