第一章
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子猫のトムのお話
トムは甘えん坊です。
このことは立てる様になってからですが今でもです、妹のミトンやモペットよりも甘えん坊です。
それでお母さん猫のタビタ=トゥチットはいつもトムにこう言います。
「貴方もお父さんにならないといけないのよ」
「お父さんみたいにならないといけないの?」
「そう、何時かはね」
こうトムに注意するのです。
「結婚してね」
「女の子と」
「それで甘えないでね」
このことを言うことも忘れないです。
「お父さんみたいに皆をしっかりと育てないといけないのよ」
「えっ、けれど僕そんなこと出来ないよ」
トムはそうお母さんに言われるとです、いつも困った顔でこう言うのでした。
「とてもね」
「またそう言うのね」
「だって本当にことだから」
やっぱり甘えて言うのです、それもいつも。
「それに僕まだ子供だし」
「子供でもお兄さんでしょ」
「ミトンやモペットの?」
「そう、だからね」
本当にいつもこう言うお母さんです。
「貴方は甘えないでね」
「それでなんだ」
「しっかりとならないと駄目なの」
「しっかりっていうと?」
「何でも自分のことは自分でして」
そして、と言うお母さんです。
「頼りにされる様にならないと駄目なのよ」
「自分のことはなんだ」
「そう、自分でね」
それこそ何でもというのです。
「駄目なのよ」
「じゃあお洋服を畳むことも」
「そうよ」
「自分のお部屋をお掃除したりすることも?」
「当然よ」
「食べた後の食器を洗ってなおしたりとか」
「お母さんはいつもしているでしょ」
お母さんはトムに厳しい口調で言っていきます。
「だから貴方もね」
「ううん、大人になるって大変なんだな」
「大変でもそれでもよ」
「僕はしっかりしないといけないんだ」
「さもないとね」
それこそ、というのです。
「お父さんみたいになれないわよ」
「今のままだと」
「今のままだと大人にもなれないのよ」
お母さんの口調は何時になく厳しいものになっています。
「だからいいわね」
「これからはしっかりとして」
「やっていくのよ」
「具体的にはどうすればいいのかな」
「だから自分のお部屋をお掃除してね」
お母さんはさっきトムとお話したことをそのまま言うのでした。
「お洋服も畳んで。食べた後の食器もね」
「洗ってなおして」
「そうしなさい、これからは」
「大変だなあ」
「大変でもやらないと駄目なの」
「大人になれないから」
こう言ってなのでした、そのうえで。
トムにです、さらに強く言うのでした。
「大人になる為にそれ位はしなさい」
「それじゃあね」
こうお話してでした、お母さんはトムにしっか
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