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ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
覚醒
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その一言が発せられた瞬間、怪人たちが一斉に動き出す。

ピキキ・・・!

不可解な音が地面から聞こえた。キリトが地を見ると、白く染まっていた。

周囲が凍えた。

「終わらせる!!」

バリン、バリン、バリンッ!!次々にメダルが割れる音が響く。凍りつかなかったグリード達が一斉に襲い掛かり、ユキが見えなくなる。

「ユキ!!」

怪人達に隠れて見えないユキへと叫ぶ。言葉は聞こえてこなかった。しかし、代わりにメダルが割れる音がする。

バリン!バリンッ!!次第にグリード達が少なくなり、周囲にはメダルの山ができた。

残りのグリード達は、一斉に世界樹へと逃げはじめる。それを見たユキはため息をついた。

「ユキ君!」

映司が叫んだ。

「あれって・・・・恐竜メダルの」

ユキは黙ってうなずき、言った。

「そうです。どこで手に入れたかは、後で話しますよ」

後で?全員がそう思ったろう。いや、映司だけが途中で気付いた。

「この感じ・・・!」

ドンッ!!

空から飛来する、白い影。ユキはその姿に絶句した。

「アギト・・・!?」

何故、シャイニングフォームがここにいるのだ。そう思う暇もなかった。

凄まじい速度で放たれた拳が、ユキの頬にかする。かすったそこには血が滲み、首筋を伝って流れていく。

「コイツ・・・っ」

強い。武術を習っている者の動きだ。鋭く、正確に急所を狙って来る。ユキはそれをいなし、みぞおちの横へと蹴りを入れる。

肋骨から肺へと衝撃が突き抜けただろう。最もグリード相手に通用するかもわからなかったが。

しかし、効果は覿面だった。叫び声をあげて過呼吸になるグリード。

「・・・・?」

何かおかしい。さっきから叫ぶ声が、なにか言っているように聞こえるのだ。

「・・・・・」

「y・・・k」

「ゆ・・・k」

「ユ・・・キ」

「!!」

ユキは驚いた。自分の名をずっと言うこいつは一体なんなのだ?

考えすぎて沈黙したユキを、アギトが飛びかかる。

「馬鹿!避けやがれ!!」

何処からか、火球が飛来してアギトを吹き飛ばす。

アンクだった。光太郎のライドロンに取り残されていたが、何とか帰ってきたのだ。

「アンク・・・」

「よう。映司」

ちょっと待ってろ。そう言ってアンクがグリードの前に立った。

「・・・・へぇ」

「おい、こいつの欲望が分かったぞ」

ユキはアンクの方を向いた。

「お前に会いたいって言ってる。予想するに俺が見た金髪の女だな」

「!!」

「アルゴさん・・・?」

アルゴがグリード。その真実は、ユキの心を傷つける。また守れなかったと
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