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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
召喚
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煙の中にいたものと目が合った。
「・・・え?」
と、ルイズは思わず声を漏らした。自身が呼び出したものは――――人間だった。
「何あれ?」
「人?」
「平民か?」
生徒たちも互いに確認し合うかのように次々に声を発する。
やがて、煙が晴れて使い魔の様子が明らかになる。
その瞬間周囲から「ひぃっ!」と悲鳴が上がった。
その人間は男であった。しかし、その様子は異常でしかなかった。
顔やだらりと下げた腕は傷だらけであり、血が滴るように流れている。着ている服は所々が破けており、ほとんどが血によって赤黒く染まっている。そして血走ったギラついたような目で目の前のルイズを見ていた。
今にも襲い掛かってきそうなその様子にルイズも思わず恐怖の顔を引きつらせる。
その時、
「グッ・・・ガ・・・」
突然、顔を顰めた男はくぐもった呻き声をあげ、バタリと倒れこんだ。
その場一帯に何とも言えない空気が漂う。
「死んだ・・・?」「まさか、ルイズの爆発で・・・」と生徒も放心状態で呟く。
と、最初に我に返ったのはヴァロナであり、傍らに向かって「先生っ!」と叫んだ。
その声にハッとしたコルベールは助手の呼びかけの意図を察し、生徒たちに指示を出す。
「誰か!その男を医務室に運びなさい!医療系の魔法が使えるものは同行!他のものは水系の教師に連絡を!」
咄嗟とはいえ、実に簡潔で的確な指示である。生徒たちもその声に反応し行動に移った。
男は小柄な水色の髪の少女―――タバサの風竜に乗せられ、医務室に運ばれていく。
「先生、私も行きます。」
「ああ。ヴァロナ君、頼むよ。」
「先生っ!私も!」
ヴァロナが医務室に同行しようと行きかけた時、ルイズが先生に声をかけた。しかし、コルベールが答えるより先にヴァロナが口を開いた。
「先ほど彼の容体を確認しましたが、もはや一刻を争う事態です。言いづらいですが、あなたが行っても邪魔になるだけですよ。」
緊急事態とはゆえ、ヴァロナの厳しい言葉にルイズは怯むが、それでも食い下がった。
「でも、あいつは私が呼び出したんです!あいつは私の使い魔なんです!使い魔に何かあった時は主人がそばにいてあげなきゃ!!」
必死の訴えに困った二人であったが、やがてコルベールが優しげに、
「分かりました。ですが治療が終わって、良いと言うまでは医務室の外で待機すること。良いですね。」
「はいっ!」
条件付きで彼女の同行を許可した。コルベールの言葉にヴァロナも特に不満の様子もなかった。
「では行きますよ。」
「はいっ!」
そして、ルイズはヴァロナとともに駆け出していく。
(お願い・・・
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