暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
召喚
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」と言うには、余りにも心苦しかった。

 「う〜む・・・」
 「先生。あと一回だけ、ということでよろしいのでは?」

 と、何と言ったらいいものかと考えていたコルベールに、背後にいた男が苦笑まじりに声をかけた。
 コルベールと比べてかなり若めで長身の青年である。ややボサボサな髪でヨレヨレのワイシャツと前を開けたスーツ姿である。コルベールを真面目と捉えるなら彼は随分とラフなイメージである。

 彼の名はヴァロナ・テクートリ。コルベールの助手である。
 助手の提案を聞いたコルベールは「そうですね。」と返した。

 「仕方ありません。ミス・ヴァリエール。あと一回だけですぞ。」
 「あ、ありがとうございます!」

 教師からの許しにルイズはパァッと顔を明るくした。だが、もう後がないのも事実である。
 ルイズは気持ちを落ち着かせるように深呼吸をし、スッと目を閉じた。

 (何でもいい・・・)

 自分の気持ちが安定しているかを確かめる―――――大丈夫。

(どんな奴でもいいから・・・)

 ゆっくりと杖を振り上げる―――――――いける。

 (私に・・・応えて!)

 そして呪文を詠唱する。

「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ!神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!
 私は求め、訴える!私の導きに応えなさい!!」

 ・・・何というか、非常に独自性の高い呪文である。生徒たちも何処かひきつったような笑みを浮かべていた。 しかし、

 「うわっ!」
 「何っ!?」
 「まさか、成功!?」

 魔法陣が突如、強力な光を放ち始めたのだ。光が強くなるとともに猛烈な風も吹き荒れ始める。その様子は正に神秘的と言ったところか。
 生徒たちが驚くのも無理はない。こんな現象は誰も起きなかったのだ。
 「うわわっ」と、思わずよろけるコルベールをヴァロナは支えるが、その視線はルイズと魔法陣に釘付けになったままである。

 やがて、光と風が収まっていくと、今度はその勢いに負けないほどの大爆発が起こった。

 「ギャァァァァァ!!」
 「結局かいいいい!!」

 今までの比ではないルイズの爆発に、予想が半分当たって半分外れた生徒たちは、使い魔諸共もみくちゃな状態になる。

 「あ、あれ、見て!何かいるわ!」と、そんな中一人の女子生徒が声を上げた。
 確かに煙でまだはっきりとしないが、魔法陣があったであろう場所には影のようなものが出来ている。
 それを見たルイズはよろよろとした足取りで近づいた。

「これが・・・私の、使い魔・・・。」

 何でもいいとは言ったものの、やはり不安ではあった。どうせなら強くてかっこいい使い魔がいいに決まっている。

「一体・・・何?」

 と、
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