暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
クリスマス特別編 聖夜の約束
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は言っても二人の財布の中身は足しても全員分のプレゼントなど買えるほど金などない。矢瀬の分は抜きにするにしても五人分は用意しなければならないのだ。
 雪菜と友妃、夏音はどんな物をプレゼントしても多分、受け入れてくれるだろうが残りの二人は確実に文句を言うであろう。

「まだ時間自体はあるからじっくりと考えればいいだろ」

「そんなこと言ってるとすぐに時間なんて過ぎちまうぞ」

 気怠そうな二人は適当に案を次々と出してはいく。しかしその全てが金銭的な問題でことごとく潰れていく。
 もはや彩斗と古城は机の上に突っ伏して死にかけている始末だった。
 もう全ての案は尽きたのではないかと思った。しかしそれは不意に思いついた。
 もしかしたらアレが使えるかもしれない。いや、それ以外に方法がもう彩斗と古城にはない。

「古城、いい案が思いついた。でも、かなりバクチだ」

 死にかけていた古城は身体をムクッと起こす。彩斗は手招いて古城に耳打ちをする。
 そして先ほど思いついた案を小声で告げる。

「それはまずいんじゃないか?」

 古城はあからさまに顔を歪める。
 確かにこの作戦が雪菜や友妃にバレれば大変なことになるだろう。しかしこれ以外に方法は残されていない。

「どちらにせよこの作戦を成功させるためにはおまえの力が必要だ」

 古城は少しの時間考えてから渋々ながら首を縦に振った。
 その答えに彩斗は不敵な笑みで返す。

「それじゃあとりあえず、ニーナに連絡だな」

 彩斗はポケットに入ったスマホを取り出して徐に電話をかけたのだった。




 絃神島の夜は案外心地の良いものだ。真冬でも平均二十度を超える気温だが、夜ともなればかなり過ごしやすい気温にまで下がってくれる。そのおかげで冷房などもいらない程度には過ごしやすい。
 しかし現在の暁宅は冷房がフル稼働しておりむしろ寒いくらいだった。

「それじゃあ、みんな揃ったことだしクリスマスパーティー始めるよ!」

 テンションのかなり高い凪沙がグラスに高々と上げる。

「ほらほらみんなも上げて上げて」

 凪沙に指示されるままに七人がグラスを上げる。

「カンパーイ!!」

「「「カンパーイッ!!」」」

 数人のテンションの高い声とそのテンションに乗り切れない残りの人たち力ない声が響いた。
 時刻は結局のところ八時を少し過ぎたところでパーティーは始められることとなった。ちなみになぜ冷房がフル稼働なのかというと少しでもクリスマス気分になりたいという凪沙の言葉から設定温度が十九度といった真夏でもしないような室温になっている。
 ガラス製のリビングテーブルには、大皿に盛り付けられた料理が所狭しと並んでいる。その料理を囲むようにこちらも
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