暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
クリスマス特別編 聖夜の約束
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で食べるようだから気にするな」

 彩斗は少し力なく笑う。
 友妃はそれ以上訊いてくることはなかった。
 彼女もそのケーキがなんなのかわかっていたのかもしれない。それでも友妃は口にすることはしない。
 そんな居心地の悪い空気が流れる。沈黙する二人にはクリスマスを告げるBGMが流れていく。
 そんな空気に耐えかねた彩斗がようやく口を開いた。

「と、ところで友妃はどんなプレゼント用意したんだ?」

「ぼ、ボク? それはクリスマスパーティーまでのお楽しみだよ」

「まぁ、そうだとは思ったよ」

 彩斗は微笑を浮かべて重い買い出しのビニール袋を持ちながら帰路へと着いていく。

「彩斗君もちゃんとプレゼント用意してよね」

 そういえばすっかりそんな存在忘れていた。
 まぁ、家に着いてから古城あたりと一緒に考えればいいであろう。どうせアイツのことだから考えているわけもない。それどころかプレゼントのことを知らないということさえもありえる。

「まぁ、期待せずに待っててくれ」




 そうは言ってみたが本気でまずい状況になった。彩斗は人にプレゼントなど送ったことがない。そのためどの程度の値段の物をプレゼントすればいいのかさっぱりわからない。

「と、言うわけでどうする、古城?」

「そんなこと急に言われてもな」

 古城がドリンクバーのオレンジジュースを飲みながら気怠そうに呟く。
 午後のファミレス。陽射しが今だ容赦なく窓際のテーブルに降り注いでくる。エアコンはフルに活動しているようではあるが、店の奥地であるこの場所まで冷気が届かない。さらに窓から降り注ぐ陽射しが彩斗たちの席の温度を上昇させていくなんとも悪循環なことだ。
 なぜ彩斗と古城がこんな場所にいるのかというとそれは凪沙が原因である。今夜開催されるクリスマスパーティーはどうやら暁宅で行われるようで、それの準備のために古城はなぜか追い出されたらしい。彩斗はというとクリスマスプレゼントに関することだと夏音と友妃に部屋を追い出され行く場所がなくファミレスで時間を潰している有様だ。
 そうは言っても最低でもこのファミレスに何時間いなければいけないのだろうか。現在の時刻は、一時を少し回ったくらいだ。パーティーを行なう予定時刻は、目安で七時から八時の間らしい。
 そんな間にプレゼントを考えろというわけだ。

「それで本気でどうするよ。俺今日は金あんまねぇぞ」

「それは俺もだ」

 やはり貧乏学生二人にプレゼントを用意する金などなかった。
 彩斗はすっかりぬるくなってしまったカルピスをストローですする。

「二人とも金がねえなら俺と彩斗からってことで少しでも安くすませるしかないか」

「まぁ、それが妥当な案だな」

 そう
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