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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
クリスマス特別編 聖夜の約束
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そう言いながら凪沙は友妃たちに渡したものよりも一回り小さい袋を手渡した。
「ん? なんだこりゃ?」
矢瀬が袋から取り出したのは、縦横が約10センチあるかどうかぐらいの正方形の布だった。
「一応はマフラーになるはずだったもの……かな」
浅葱が頬を指で掻きながら苦笑いを浮かべている。
「まぁ、プレゼント交換はこんくらいにしてパーっと騒ごうぜ」
「いやいやよくねぇっつうの!!」
そんな矢瀬の叫びもむなしくクリスマスパーティーは進んで行ったのだった。
時刻は十二時を回る少し手前だった。
部屋の明かりもつけず祭りの余韻にでも浸るように彩斗は一人リビングにあるソファーに深く腰掛ける。
夏音は今頃寝てしまっていることだろう。元から彩斗違い規則正しい生活を送っている彼女からしてみれば遅く寝たほうではある。
結局、クリスマスパーティーが終わったのは十一時を少し回ったくらいの時刻になってしまった。それほど大いに盛り上がったたのだが、さすがにこれ以上騒ぐと近隣の迷惑になるからとお開きになった。
そこから風呂に入って眠りに着くまでにそう時間はかからない。
「……今年ももうすぐ終わるんだな」
まだ今年が終わるまで六日ほどあるが、多分変わらない日常を送ることになるだろう。それに大晦日もあのメンバーのことだからただでは済まないだろう。それでもそんな日常がもはや普通になってしまっている。
そのことを考え、彩斗は笑みを浮かべた。
夜の窓ガラスが鏡のようになって笑みを浮かべた彩斗を映し出した。いつものように不器用な笑みだった。この笑い方だけは直らないみたいだ。
その度にこの笑い方を指摘した少女の顔が頭にちらついてしまう。もう二年くらい経つというのにだ。
「……やっぱ忘れられねぇんだな」
「なにが忘れられないのだ?」
後方からの声に彩斗は振り返る。そこには身長三十センチくらい人形の姿をした古の大錬金術士ニーナ・アデラードが小さな歩幅でゆっくりと歩いてくる。
「ニーナか……おまえも寝てたんじゃないのか?」
「帰ってきてからの
主
(
ヌシ
)
の様子が気になってな。夏音も心配しておったぞ」
立ち上がった彩斗はニーナを手の上に乗せ、ソファーへと再び深く腰掛け、机の上に置く。
「悪いな、心配かけて。でも大丈夫だからさ」
「それが大丈夫な人の発言とは思わんがな。まあ、大方理由はわかるが……」
そう言って彼女は机の上に置かれている物へと目を向けた。
装飾も特にない白地の小皿の上に乗ったショートケーキ。それがあるだけなら夜遅くに一人でケーキを隠れて食べているだけだ。しかし今回は少し違って見えただろう。
そのショートケーキには、一
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