暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
クリスマス特別編 聖夜の約束
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デパートだった。

「ここなら頼まれたものも全部調達できそうだしね」

「なに頼まれたのか全然覚えてねぇけどな」

「大丈夫だよ。ボクがバッチリ覚えてるから」

 聞こえない程度に小さな舌打ちをする。それを理由に家に帰ってそのまま引きこもる作戦が台無しになった。

「ほら、不機嫌にならずに早く買い出しに済ませちゃお」

 友妃に背中を押されて店内に入店する。
 ガラス製の自動ドアがいつも通りの音を立てて開かれる。店内に入ると程よい冷房の風が彩斗の身体を包み込んだ。
 吸血鬼には直射日光がないだけでもかなり違う。さらに年中夏気候の絃神島の陽光は容赦が全くない。

「それで何買うんだ?」

 彩斗は気怠そうに頭を掻きながら訊く。

「主にはクリスマスパーティーで食べる食材の買い出しだね。あとはケーキとかかな」

 その言葉を聞いて嫌な予感が彩斗へとよぎった。
 恐る恐るその言葉を口にする。

「それを調理するのって凪沙だよな?」

「結構大人数だから凪沙ちゃんだけだと手が足りないから彩斗君にも手伝ってもらうって言ってたよ」

(やっぱ、そうなりますよね)

 これで今日の睡眠計画が崩れたことを告げる。最低でも凪沙のことだからクリスマスパーティーを十時くらいまでは行うであろう。そこから片付けやらを行えば、十一時くらいは軽く回るだろう。その日のうちに片付けを行わなかったとしても次の日に朝早くから起こされてやらされるであろう。
 その時点で彩斗の安眠は妨害されること間違いない。
 彩斗はあからさまにがっくしと肩を落とした。

「それで今日は誰が来るんだ?」

 だいたい想像はつくが一応訊いてみる。

「えーとー……古城君と凪沙ちゃん、浅葱ちゃんに矢瀬君、それに雪菜と夏音ちゃんかな?」

 それに彩斗と友妃を加えた八人。結構な人数なため料理もかなり作らなくてはならないだろう。さらに浅葱がいるならなおさらだ。
 スタイルがいい方の彼女だが、その見かけによらずの大食いなのだ。いつもこちらが見ているだけで腹がいっぱいになってしまうほどだ。
 そして毎回思うことが食ったものはどこに消えていくのだろうか。

「そういえば、彩斗君はプレゼントとか決めたの?」

「プレゼントってなんだよ?」

「そんなことだと思ったよ」

 友妃が呆れたというように手を頭に当てる。

「クリスマスパーティーって言ったらプレゼント交換するのが普通でしょ」

「俺は今まで一人クリスマスを送ってきたからクリスマスパーティーでプレゼント交換をするなんて初知りでございます」

 適当に返答して彩斗は食品売り場へと足を運ぶ。

「全く、ああ言えばこう言うんだから」

 呆れたため息をついて友
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