暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
クリスマス特別編 聖夜の約束
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「暑ィ……死ぬぞこれ……」

 陽光が緒河彩斗の身体へと容赦なく降り注ぐ。
 吸血鬼の天敵である陽光が“魔族特区”と呼ばれる絃神島はかなり強く差し込む。なぜこんな場所に絃神島を造ったのだろう。仮にも伝説の吸血鬼と第四真祖が住んでいるというのにだ。
 せめてもの救いはこの世界の吸血鬼たちは直射日光を受けただけで灰になり死んで行かないことだ。
 この世界の吸血鬼の体質がそうでなかっただけまだいい方ではあるが、辛いということに変わりなかった。

「もう少しだから頑張ってよ、ここで倒れてもボクの力じゃ彩斗君運べないんだから」

 隣を歩いていた逢崎友妃が彩斗の前かがみになった身体をシャッキと伸ばさせる。

「だいたい、なんで俺が買い出しに行かないといけないんだ。もう学校もなくなったんだし、寝かせてくれよ」

「ダメだよ。そんな生活ばっか送ってたら。それに今日はもっとだよ」

 友妃が彩斗の手を引っ張って目的地へと半ば連行していく。
 街は、華やかなイルミネーションに彩られていた。年中真夏の島である絃神島には、あまり縁のないイベントだと思っていたが、やはり行われるようだ。
 十二月に行われる大きなイベントの一つ。
 ───クリスマス。
 今日はそのクリスマス当日。そのためか街は波朧院フェスタには劣るがかなりの盛り上がりを見せていた。全身赤の衣装に身を包んで店のビラを配ること店員や、この衣装寒いだろと言わんばかりに露出度の高いコスプレをした女性たち。
 本来のクリスマスとは、イエス・キリストの誕生日を祝う祭りとどこかで聞いたことがあった。だが、子供の頃はサンタクロースにプレゼントをもらったりする良い日であった。
 今となっては、プレゼントなどくれる人もおらず、ここ最近は悲しい一人のクリスマスを送っていた記憶があった。
 最近それに慣れたせいで今年も一人で過ごそうと思っていたのだが、そうは行かなかった。
 凪沙プロデュースのクリスマスパーティーを行うということで彩斗の安眠は妨げられたのだった。それで終いには、パーティーの買い出しに行かされる羽目になったのだった。

「まったくよ……古城に行かせりゃいいじゃねぇかよ……古城が行くなら姫柊も行くだろ。それで俺の睡眠は妨害されなかっただろ」

「彩斗君って睡眠のことにだけはうるさいね」

 半ば呆れた口調の友妃だった。

「人間の三大欲求であるすい───ッ!」

「そのセリフは聞き飽きたから早く買い出しに行くの」

 彩斗の決まり文句を遮り、手をぐいっと引っ張って友妃は連行していく。
 華奢な体つきの友妃だが見かけ以上に力がある。さすが剣帝と呼ばれるだけのことはあるとなぜかここで感心してしまっている。
 そのまま連行されてたどり着いたのは、大型の
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