暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
記憶の一部と力の意義と動き出す目的
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れたらしいんですけど・・・ゲームがクリアされた後も、好きな人が帰ってきていないんです。それからいろいろあって・・・兄が落ち込んじゃってて・・・。だから、その間だけでも力が欲しいんです」

「・・・・力を与えられて、それが強さになると思うか?」

真の言葉をリーファは黙って聞いた。

「ならない」

「なぜならば、力と言うのはころころと変わるからだ。力を持って守れると思っても、その自信は自分の身を滅ぼす」

「お前は、兄を愛しているか?」

リーファはコクリと頷いた。

「なら、なおさら力を持ってはいけない」

その言葉にリーファが反論した。

「だって・・・だって、兄を守りたいから」

「望まない力を与えられ、愛する人を失った奴もいる」

真は自分の手のひらを見つめた。

「それに・・・お前の兄は、きっと強い奴なんだろう」

「お前のような女が愛する男だ。きっと心の面でも強い人なのだろう。なら、辛いことを乗り越えられるように、応援するだけで俺はいいと思う」

「貴方に・・・貴方に何が分かるんですかっ」

「・・・・すまなかったな」

真は立ち上がり、今度は始が薪をくべはじめる。しばらく無言が続いたが、突然始が口を開いた。

「真に何を言われた?」

リーファは少しずつだが、全て説明した。

「そうか・・・兄を守る力が欲しいのか」

「強すぎる力は身を滅ぼす、と言うのを知っているか?」

「・・・はい」

「実際あれはそうなんだ。俺自身もそれにやられていたし、真はもっと辛いめに合っている」

「辛い・・・め?」

「愛する人を・・・失ったんだ。子供もいたというのに・・・」

リーファは後悔した。なんてことを言ってしまったんだろう、と。

「だけどな、俺たちは救われたんだ。真は愛する人に。俺は仲間に」

「結局・・・力っていうモノは二の次だってことも知った」

「リーファ・・・一つだけ教えてやる。強いのは力じゃない・・・。本当に強いのは・・・。本当に強いのは人の想いだ。お前の兄も、きっとお前の想いに力を貰ったはずだ。だから・・・お前に力なんていらない」

リーファは少しだけ、ほんの少しだけ、始の胸を借りて泣いた。小さな嗚咽が、たき火の音にかき消された。




 世界樹


「ンなんだよ・・・」

「わかってるよ」

「別に楽しんだっていいだろ?そんな急ぐことじゃないし」

「須郷とかいうキモ男には、もう接触したよ・・・」

「それより・・・約束は、本当だろうな」

「・・・ああ、本当だ」

「なら、いい・・・じゃあな、死神博士」

通信をきると、クライはため息をついた。そして言った。

「待ってろよ
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