暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
記憶の一部と力の意義と動き出す目的
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くなかったのだ。
「フッ・・・人間とはそういうものだよ。他人の命を踏みつけ、上へとのし上がるし、成長する。人は物を食べるだろう?大体、人は牛や豚を食べるじゃないか。喰わないと生きていけないからだ。君はたまたま、それが人だっただけだよ」
僕はドラゴンの首を絞めた。もう、この声も聞きたくない。
「もう・・・黙っていてくれよ・・・。このまま僕に吸い込まれてくれ。そして、その力を僕が命を救う時に使わせてくれ」
「ずいぶんと都合がいいな、その理論は。はたして、人を守るものを殺すために造られた君が誰かを守れるかな?」
そう言い残して、ドラゴンは消えた。空間に静寂が戻る。僕は静かに泣いた。
僕はこれからどうすればいいのだろう。仮面ライダーを殲滅するために、人を守る正義の味方を殲滅するための兵器である僕は、どう生きていけばいいのだろう。
響鬼さん達は力を貸してくれるだろうか?化け物である、この僕に。
「貸してくれるさ。きっと」
「そうだぜ。響鬼たちのことだからな」
不意に、二人の声が背後から聞こえた。振り向くと、そこには二人の男が立っていた。
「よう、お前がユキだな?」
「あなたは・・・乾巧?」
オルフェノクでありながら、人類の傍に立ち続けた夢の守り人。仮面ライダーファイズ。乾巧。
「なんか・・・忘れられてる気がする・・・」
もう一人もユキが知っている顔だった。
人の為に走り続け、最後は友を救うために怪物になった男。仮面ライダー
剣
(
ブレイド
)
。剣崎一真。
「なんで・・・ここに?」
「君を助けてってカナリアさんから」
「・・・そのカナリアは?」
「あいつは今、疲れちまってる。今来てるやつら全員、お前のために連れてきたからな。アイツ、なんだかんだ言って一番お前を心配してるぜ」
カナリアも大変なんだなとは思ったけれど、カナリアはなんで僕を選んだのだろう。
「さぁね・・・だけどさ、それが良いって思ったんじゃない?」
剣崎さんが言った言葉に、聞き返す。
「いいってどういう事ですか?」
「力はな、与えられた後が問題なんだよ」
「そういうこと。その力をどう使えばいいか、正しく扱えばいい。君が思った通りに」
「だけど・・・」
「正しい道が分からないってか?そんなもん、探すんだ。夢を探すようにな」
「未来は自分で切り開いてくものなんだ。だからさ、君がしたいことが、一番君にとっては正しいと俺は思うよ」
乾さんと剣崎さんが何処からかバイクを持ってきて乗る。
「俺らは今、時間がない。すまないが、手助けはここまでだ」
「ごめんね。あぁ、そうだ忘れてた」
剣崎さんがバイクから降りて、僕に手紙を渡してきた。
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