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英雄は誰がために立つ
第1章 旧校舎のディアボロス〜停止教室のヴァンパイア
Life1 異世界にて
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ないぞ』

 昔、何時何所でだったか。そんな聞いた言葉を思い出した。
 今の俺達は正しくその通りだった。
 特に自分自身が情けねぇ!あんな風に部長に大見得切ったのに。結果、後から来たやつに助けられて、それを自分たちの勝利だと勘違いして喜んで――――本当に情けねぇ!!

 「ふふふ」

 ふと見上げると、グレイフィアさんがまるで聖母の様に笑っていた。最上級悪魔だけど。

 「貴方は本当に面白い方ですね。長年、色々な悪魔を見てきましたが、貴方の様に思った事を顔に出してそのまま突っ走ろうとする方は初めてです。私の主、サーゼクス様もあなたの活躍を見て『おもしろい』とおっしゃっていたのですよ?そして、皆様にも『先が楽しみだ』と」

 グレイフィアさんの言葉と魔王様の言葉に、僅かだが元気を取り戻せてきた、俺。
 それは、部長も朱乃さんも小猫ちゃんも木場も一緒だったようだ。

 「確かに今回は、事実上リアス様たちの事実上の敗北です。ですが今感じている悔しいと言う気持ちを糧にすれば、いずれ本来の勝者だったライザー様や、あの魔術師殿にも届くかもしれませんよ?」

 そんな言葉の後に『私はこれにて』と魔法陣の上に乗り、グレイフィアさんは転移した。
 そうだ、これで終わりじゃないんだ。
 ――――なってやる。絶対今日の様に二度とならない様に、強く成ってやるぅううううううう!!!


 −Interlude−


 赤い外套赤いフードを着た魔術師、藤村士郎はリアスたちの部屋の外のドアに背中を任せて話を聞いていた。

 (ふむ。リアスの意思とは関係ない強制的な政略結婚も、これで破談だな。それにしても、昔の俺みたいだな。今の一誠の奴は――――――――――俺はあそこまでオープンスケベじゃないが)

 そんな事を考えながら、士郎は気配を消したまま去って行った。
 
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