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ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
己が持つ武器の意味
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キリトが私たちに時間を稼いで欲しいと告げて見せたのは片手剣を両手に持った二刀流。あんなものは初めて見た。あれもスキルの一つなのだろうか? 少なくともあんなものが存在するとは聞いたことも見たこともない。言うなれば、
番外能力
(
エクストラスキル
)
なのだろう。しかも、その中で特に
特殊
(
ユニーク
)
と言えるくらい貴重だろう。そのキリトの最後の一撃でボスのHPは全て消え去った。そうしてボスはポリゴンとなり消失した。こちら側もHPが極限にまで減らされていたり、ボス戦独特の緊張感から解放されたからか、精神的な負担が多かったり、大分疲弊している。回復用のポーションを飲み、一息ついているところにゼノが声を掛けてきた。
「お疲れ様、レミー」
「ゼノもね……それと犠牲者、出しちゃったね。」
「お前が気に病むことはないで、レミー。あれは、あのオッサンの判断ミスから起こしたことや。レミーのせいやない。」
個人的に気に病んでいたことを吐露し始めると、ゼノがフォローしてくる。助けることが出来なかったことを、見捨ててしまったことを。私はこれからも悔やみ続けるだろう。掴めたものを手放した。それが見ず知らずの人物だったとしても。
「まっ、それよりも心配なんは、向こうのあんちゃんのことやな。どうせこんな世界でのおかしな出来事や。二刀流なんて見たことも、聞いたこともあらへんからな。どうせ話題の種にされるんやろうな。」
「そうね……確かに見たことはないけど。あれは明らかに私たちとは違う何かを持っていることには間違いないよ。」
そうして話題に出したのはキリトのこと。あんな能力を持っているとは思ってもいなかった。まるでこの『ソードアート・オンライン』という物語の主人公のような。そんな気もする。今は私たちとは少し離れた場所でクラインさん達からの質問攻めとかに遭っている。
「まぁ、その辺はあの娘はんがなんとかするやろ。だが、こうなるとアレやなぁ。この二刀流をもっと見てみたいというか、対人戦でやったらどないな感じになるのか俺は気になるな。」
「確かに……もっと見てみたい。キリトの二刀流、見ていられるものなら見ていたい。」
そこにあったのは単純な憧れと望み。見たこともない剣技を見せられたのだから、一プレイヤーとしても、一人の人間としても気になって仕方がない。
「だったらなぁ、レミー。俺良いこと考えついたんや。まぁ、それが実現出来るかは分からんけどなぁ。」
それを見て、何やらにやりとしたゼノ。私はそれを見て、不思議に思っていたが、その意図が分かるまでは、まだこれより後のことだった。
「ほな、向こうに合流するか。そっちはそっちで大変そうやな?」
「そりゃあ、そうだろ。だってキリ
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