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ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
己が持つ武器の意味
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を立てつつ猛烈なスピードで突進してきた。私たちはその姿を捉えると、反転し全力で逃げた。





「いやー、良く逃げたねー。でもボスの見た目と雰囲気は十分分かったよね。二人が思ったことを言って貰える?攻略する際には必要な情報になるだろうし。」


全速力で逃げ出し、中間地点付近にある、安全エリアまで後退した。そうして初見での感想を述べてもらう。こうして出た情報から、ボスについて予想し、対策を練ろうとする。


「そうだな。見た感じだが、奴の持っていた武器はあのデカい剣ひとつだけど………まぁ、十中八九特殊攻撃を持っているだろうな。」


「どんな特殊攻撃かは流石に分からないけど、物理攻撃力は極端に高いだろうから前衛に堅い人を集めて次々と交代(スイッチ)して行くしかないわね。」


キリトとアスナから意見が出る中私はそれを纏めつつ意見も述べる。そうして議論を続けて行く中、こんな話題がふと出てくる。


「盾装備の奴が最低でも10人、出来ればもっと多くは欲しいな……。まあ当面は少しずつちょっかい出して傾向と対策を考えるしかなさそうだな。」


そうキリトが述べた後である。アスナがこちらの方を訝しむように見ながら話し始めた。


「二人ともどうして『片手剣』なのに『盾を持っていない』の? だっておかしいじゃない。普通だったら、片手剣の最大のメリットって攻撃になる剣と一緒に体を守れる盾が一緒に持てることでしょう? でも、キリト君とレミーちゃんが盾持っているとこみたことないよ。私の場合は細剣のスピードが落ちるからだし、一部ではスタイル優先で持たないって人もいるけど、二人の場合はそのどっちか……っていう訳じゃないよね?」


アスナから私たちに向けられた疑問。それは誰もが気付くようなことである。片手剣なのに盾を持っていないのだ。これはプレイスタイルとしての信条がなければほぼ有り得ない。あるとしたら金銭的理由とかだが、ここまでくるようなプレイヤーにそんな問題は無縁だから、私たちは不思議と思われてもおかしくはない。でも、私はこういう時に話すことが出来る理由がある。


「ああ、それはね。始めたばっかりの時にステータスの振り方が良く分からなかったんだよ。最初は兎に角早いのが良いだろうと思って振っていたからね。このゲームが生まれて初めてのゲームだったし勝手があんまり良く分かってなかったから。だから今でもこんな感じで尾を引いていて、片手剣一つ持つのが精一杯ってところだよ。」

説明した理由はいたって簡単。この手のゲーム初心者がやってしまいがちな、ステータス配分のミスだ。多少ゲームをやっていればそんなことはないはずだが、ド素人中のド素人なら、全部を平均的かつ微妙に上げるか、どれかにだけステータスを偏らせるか二択だろ
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