第十話 一戸大尉!日舞は日本起源!その四
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「次の勝負はです」
「必ず勝ちます」
「彼の日舞で」
「見事に」
「日舞は素晴らしいものでごわす」
西郷はこの文化にも理解があり言う。
「そして何よりも」
「はい、一戸大尉の舞はです」
「最早芸術です」
「あれ以上のものはありません」
「華麗にして優雅」
「真の美があります」
それは彼の日舞だというのだ。
「だからです」
「ジャスティスカイザーの二人でもです」
「勝てる筈がありません」
「大尉の舞は頂点からさらに進んでいます」
「あれだけの舞はありませんので」
「道は終わりがないでごわす」
こうも言う西郷だった。
「それ故に慢心してはならぬでごわすが」
「大尉に慢心はありません」
「日帝衆自体にです」
「慢心はありません」
「一の人になってもさらに先に進みます」
「だからこそです」
「大尉もまた」
慢心せずに先に進んでいる、それが故なのだ。
一戸の舞は人類で最高のものとなっている、その彼ならばとだ。
大山と桂は二人でだ、強い声で言った。
「ではです」
「この度のことはお願いします」
「一戸大尉にお任せ下さい」
「今回の勝負を全て」
「わかっていもっそ、ただ注意することは」
西郷は最初から一戸に今回の勝負は全て任せるつもりだった、それで頷くのだった。だがそれと共に言うことがあった。
「相手がいるでごわす」
「ジャスティスカイザーですね」
「彼等のことですね」
「あの二人はこれまで常に勝っているでごわす」
それも全ての戦いでだ、これまでの。
「それは何故かと考えると」
「はい、常に卑怯な手を使っています」
「それぞれのルールの盲点を衝いて」
「そのうえで勝っています」
「全ての戦いで」
「だからでごわす」
それで、というのだ。
「そのことにはくれぐれも気をつけ」
「そうしてですね」
「絶対にですね」
「彼等の卑劣な手段に対してですね」
「警戒を怠らず」
「そうして」
「勝つでごわす」
こう言うのだった。
「卑怯卑劣に勝つにはでごわす」
「警戒ですね」
「それを怠らず」
「そのうえで戦いを進め」
「勝つべきですね」
「卑怯卑劣には警戒を怠らず」
そして、というのだ。
「正しき心を持つことでごわす」
「卑怯卑劣には正道」
「それですね」
「それが卑怯卑劣に勝ちますね」
「その通りでごわす、警戒しそれ以上に正しき心を持つこと」
実に西郷らしい言葉だった。
「それは戦いへの道でごわす」
「では」
「これより」
「正道を守り」
「勝ちましょう」
二人も言う、そして。
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