第百八十八話
[8]前話 [2]次話
第百八十八話 ビールは
博士は小田切君がビールを飲むのを見ながらだ、こう言った。
「わしもビールは飲むが」
「あまり飲まれないですよね」
「嫌いではないがな」
それでもだというのだ。
「やはりワインじゃ」
「博士は生粋のワイン派ですよね」
「うむ、肉やパスタでは赤でじゃ」
そして、というのだ。
「魚介類は白じゃ」
「今もそうですしね」
「牡蠣も白ワインじゃ」
「赤ではなくて」
「赤は合わぬ」
生牡蠣にはというのだ。
「やはり白じゃ」
「どっちもという時はですね」
「ロゼでな」
「とにかく博士はワインですよね」
博士はまずワインなのだ、ビールは嫌いではないし飲むことは飲むがそれでも第一となるとワインになるのだ。
「洋食の時は」
「これが一番じゃ」
言いながら今もその白ワインを飲む。
「味もいいし飲みやすい」
「ごくごくといけますね」
「特に甘口はな」
辛口よりもなのだ。
「そっちの方がいい」
「それもよく冷やしたワインが」
「それがいい、ではな」
また一口ここで飲みだ、そしてまたビールについて言った。32
「ビールは止めておく」
「美味しいですよ、このビール」
「それでも今はじゃ」
ワイン一本でいいというのだ。
「ビールはそれこそ大ジョッキで何本も飲まぬとな」
「博士お酒強いですからね」
「それだけ飲みたい時に飲む」
「それでおトイレにですね」
「そうじゃ、ビールを飲むとどうしてもじゃからな」
トイレに近くなる、これはワインを飲む時よりも遥かにだ。
「そのことも頭に入れておるぞ」
「ですよね、じゃあ僕は今はビールを飲んで」
「わしはワインじゃ」
二人で乾杯して飲むのだった。
「美味いわ、牡蠣も」
「ですね、いい牡蠣です」
「よく酒に合うわ」
「そうですね」
生牡蠣も楽しみつつ飲むのだった、二人はそうして夜から深夜まで飲んで満足してだった。この日は平和に一日を終えた。
第百八十八話 完
2014・11・24
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ