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金婚式
第二章
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第二章

「それで二人だけなんて」
「僕達が祝ってあげたいのに」
「そうだよね」
「折角だから」
 口々に言い合う。しかしだった。
 実際に何をするかというと彼等はすぐには思い浮かばなかった。誰もが困った顔になってしまいそのうえでまた話すのであった。
「とはいっても」
「何をするかだけれど」
「何がいいかな」
「それよね」
 具体的に何をするかということになって戸惑うのだった。一人がここで言った。
「プレゼントならどうかしら」
「プレゼント?」
「金婚式の?」
「そう、それはどうかしら」
 言ったのは小さな女の子だった。顔のそのそばかすが可愛らしい。
「プレゼントをしてお祝いするっていうのは」
「それいいかもな」
「そうよね、それだったら」
「それでいく?プレゼントで」
 とりあえずはだった。それで決まったのだった。二人に対してプレゼントをする、それでおおよそのことはとりあえずではあるにしろ決定した。
 だが決まったのはそれだけだった。やはり具体的なことは決まっていない。その為彼等はまだ話をしていくのであった。
「それで何をプレゼントしよう」
「ええと、何かいいのある?」
「料理でも作る?」
 一人が言った。
「何かお菓子でも」
「ケーキを向こうで用意するって言ってたよ」
 最初に皆に話したその子がこのことを言うのだった。
「確かね」
「えっ、じゃあケーキはなし?」
「お菓子は」
「お料理自体も」
「あとお酒もね」
 それも駄目だというのだった。
「それも向こうで用意するんだって」
「じゃあ何もプレゼントできないの?」
「そうよね。ケーキもお酒もっていったら」
「それだったら」
 これでお手上げになるかと思われた。しかしであった。
 ここで一人がまた言うのだった。その言ったことは。
「音楽はどうかしら」
「音楽?」
「音楽をって」
「そう、音楽をね」
 こう言うのである。
「それでどうかしら」
「そうだね、それだったら」
「いいかしら」
「確かに」
 皆音楽と聞いてそれで納得したのだった。少し考えてそのうえでの言葉だった。
「音楽なら僕達でもできるし」
「それならね」
「プレゼントできるし」
「それじゃあ」
 ここまで話してだった。彼等は次にその曲について話をするのだった。
「曲はどうしようか」
「ああ、それだったらね」
 眼鏡をかけた女の子が言ってきた。
「いい曲があるわよ」
「いい曲って?」
「どんな曲なの?」
「そのままひいお爺ちゃんとひいお婆ちゃんの為にあるような曲よ」
 にこりと笑って皆に話してきたのだった。
「二人の為にね」
「二人の為に?」
「それってどんな曲なの?」
「その曲はね」
 女の子は皆にその曲
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