最恐最悪にして最高の師
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い。4の召喚はカードを媒介にしていたが、やはり隙が多いし、時間がかかる。俺の能力と同様の1、2だが、召喚自体には詳しく触れられていない。精々が、ポーズと掛け声だ。掛け声はまだしも、ポーズは致命的だからなしだしなあ。他にペルソナについて何かあったか……。いや、確か1と2では、ペルソナがかつってに発現することがあったはずだ。1では潜在能力。瀕死時に自動復活とか全体攻撃をした。2では、ヒロインと主人公の手が届かなくて、ヒロインが死にそうになったとき、勝手に発現して届かない分をフォローした。両者に共通するのは、降魔者の命の危機だ!つまり……)
そおこまで考えが至った時、思索にさきすぎて注意を疎かにした代償として、再び雷鋼の剛拳が透真の体に突き刺さる。しかも、今度はダメージを逃がすどころじゃなく、クリーンヒットで深々と突き刺さった。そでも死を避けるために両手でガードした透真の腕を諸共に砕き、使いものにならなくするには十分なものであった。
「ゴフッ、おい、糞爺。次の一撃は全力でこい」
両手は最早腕としての機能を消失し、内臓にダメージがいったのか血の混じった咳すらしている。ただ、どうにかこうにか柱に寄りかかって、立っているに過ぎない。そんな満身創痍の身で、透真はあろうことか挑発するかのように、全力を要求した。
「ボロボロのくせによく言うわい。それとも諦めた……いや、愚問じゃな。よかろう、望みどおり本気で行ってやるわ」
集中の時間など与えぬと言わんばかりに、今まで以上のスピードで距離を詰める雷鋼。彼には油断も隙もない。透真の目が未だ死んでいないことを、そして一度も諦めたことがないことを知っていたからだ。
迫る死の恐怖。満身創痍の体では、最早かわす事もできない。このままなら、雷鋼の拳が狙い過たず心臓を貫き、自身に死をもたらすであろうことを透真は認識した。自身に迫る絶対的な死、そして死に抗う絶対的な意思。それを得る為に、己を最大の窮地に後がない状況に追いやる為に透真は雷鋼の本気の拳を必要としたのだ。
「ホテイ!!!」
喉も裂けよといわんばかりの叫びと共に、雷鋼の拳が突き刺さろうとした透真の腹が膨れだす。いや、透真の腹が膨れているのではない。何者かが透真の体からでようとしているのだ。突き刺さる拳をそのままにそれを押し返すように出現する太鼓腹のペルソナ(ROD)のホテイ。透真を庇う様に前面へホテイが姿を現し、雷鋼を跳ね飛ばし、一瞬後に消えた。
「一か八かだったが……。どうだ、糞爺!」
賭けに勝ち、ぎりぎりのところで高速召喚を成功させた透真は誇るように笑ってみせ、そこに崩れ落ちた。
「ふん、ぎりぎりのくせによく言うわい。じゃがまあ、よくやったわい」
笑みこそこぼさなかったものの、崩れ落ちた
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