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FOOLのアルカニスト
最恐最悪にして最高の師
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ったペルソナであり、真実己の写し身とも言うべきペルソナなのだから、当然であろう。
 一方で、トウヤはペルソナとしても特別なペルソナであった。まず、透真と同じように成長する。そのかわりランクはないが、己に合わせて成長するという利点に比べたら、それは大したものではない。さらに『双界の波動』という専用スキルの使用に、『悪運』という破格の特殊能力。どこまでも特別なペルソナであった。召喚速度もホテイとは比べものにならなかったから、厳しい訓練を積んできた今の透真なら、瞬時に召喚できる自信、いや確信がある。

 特別なペルソナの高速召喚ができたからといって、今日の課題に合格したといえるのかという疑問が透真の中で渦巻いていたのである。とはいえ、実のところすでに答は出ていた。ここで求められているのは、ホテイの高速召喚であって、トウヤの高速召喚ではないというのは、透真がトウヤを一度も雷鋼の前で召喚していないことから明らかだった。

 (今まで、必死に隠してきたが妥協するか?そうでもしないと、できそうにないし……いや、駄目だ!ここで妥協したら、今後も妥協することになりそうだ。それにトウヤは切り札にして、普段使うのは別のペルソナにすべきだろう。それを考えたら、ホテイをここで高速召喚できなかったら、実戦になったら俺が屍を晒すことになるだろう。無理でも無茶でもやるしかない!)

 死へと誘う雷鋼の剛拳を必死に避けながらも、内心の葛藤に決着をつける透真。迷いがなくなった為にその動きが少しよくなるが、そんなことはお構いなしに襲ってくる雷鋼の剛拳。

 (こっちの葛藤なんてお構いなしかよ!しかし、実際問題どうする?どう考えても、ホテイの召喚には集中が必要だ。だが、そんな時間はないし、仮に集中できたところで、その隙をこの糞爺が見逃すとは思えない。くそ、死ぬしかないってのかよ!いや、諦めたらそこで終わりだ。その瞬間にこの爺は俺を見捨てるだろう。透夜の分まで、俺は生きなきゃならないんだ!だから、探せ!どうにか生き延びる方法を。
 ペルソナは心の力、ならば精神の在り方になにかヒントがないか。いや、今更だ、精神的なものなら散々訓練で試したはずだ。その上で、絶対的に必要な召喚時間があることに気づいたんじゃないか。だが、なにかなにかないか!瞬時に召喚する方法は……!)

 回避に専念しながら、途切れ途切れに考える。ペルソナについて、考えをめぐらす。それはこの世界で実際にペルソナを召喚して実体験として学んだことから、前世でのゲームのペルソナについての知識まで及んだ。

(まず確実にこの世界にあるだろうペルソナ3とペルソナ4、3は召喚機が必要だし、あったとしてもやはりあの己を撃つ動作は十分に隙になるし、行動を制限されるから、使おうとは思わない。というか、多分現状の俺の方があれより早
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