暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
番外編030話 0844.5話
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 それは、まるで一面の海と呼んでもいい程に広がっているBETAの群れ。
 これまで幾度となくこのアラビア半島へと襲い掛かってきたBETAだったが、その全てを跳ね返してきたアフリカ連合、中東連合、国連軍へと向かってこれまでに無い数のBETAが襲い掛かっていた。

『退け、退けぇっ! 一旦退いて態勢を立て直すぞ!』

 通信機から聞こえてくるそんな声に従い、F-5FミラージュVに乗っていたアフリカ連合のパイロットはとにかく後方へと向かって後退していた。

「くそっ、くそっ、くそぉっ! BETAのクソ共め。あんな数で攻め込んで来やがって!」

 コックピットの中でF-5Fのパイロットが悔しさに歯噛みをしながら叫ぶ。
 つい10分程前まで共に戦っていた家族同然の小隊も、既に今は自分1人。
 機体にしても突撃砲の残弾は残り2割を切っており、装甲も突撃級の攻撃を完璧に回避しきれずに大きなダメージを受けている。

「誰でもいい……それこそ、神でも悪魔でも。とにかく誰でもいいから、あのクソBETA共を何とかしてくれぇっ!」

 そう叫んだ、その時。
 まさにその言葉を誰かが聞き届けたかのように空が眩く光る。

「っ!? 何だ!?」

 何とかモニタに映し出したその映像は、男にしても信じられない存在だった。
 空中に浮かんでいる戦艦。そうとしか形容出来ないものが忽然と姿を現したのだ。
 同時に、その戦艦から無数の何かが吐き出される。
 驚くべき事に、その無数の何かは空を飛んでいた。本来であれば、光線級の存在により完全に制空権を失った筈のこの戦場で。
 そして当然の如くBETAからはその空中にいる存在へと向かってレーザーが放たれ……

「嘘……だろ……?」

 男が見たものは、空中に浮かんでいる戦艦の周囲で何かが弾かれるような光。そしてその周囲で縦横無尽に空を飛ぶ、小型の戦術機のような機体。
 だが、その機体は空を飛んでいるというのに全く落ちる気配は無い。いや、それどころか男には何がどうなっているのか分からなかったが、その機体の周囲で何かが光ると同時に地上にいるBETAが破裂し、斬り裂かれ、四散する。
 異常はそれだけではない。空飛ぶ戦艦から放たれた虫型の機体が、丸い何かを放っては突撃級の背後からその数を減らしていく。あるいは蜘蛛のような機体の尾から放たれた糸のようなものがBETAの足を絡め取ってその場で動きを止める。

「CP、聞こえているか、CP! 何が起きている! あの空中に現れた存在は味方と考えてもいいのか!? CP、応答してくれ、CP!」

 BETAに対して無慈悲な神の如く処断していくその光景に、男は知らず知らずのうちに笑みを浮かべつつも後方へと通信を送るのだった。





 後方の指
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ