第15話〜策略の牢〜
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ニックしてるの」
「完全に夢見心地じゃないか!」
「ま、まぁ、マキアスもその辺にして」
「ケイン?そう言えば君は寮の門限をたびたび無視しているそうじゃないか・・・トリスタに戻ったら教官に変わって僕が話をさせてもらうぞ」
「うげっ、そいつは勘弁してくれよ・・・」
しまいには説教までしだしたマキアスを止めに入ろうとしたケインだが、自分も彼の話し合い、もとい説教を受ける取り決めをされてしまい、脱力感に肩を落とすケインであった。
「ねえ、何かお腹すかない?」
「少し前にハモンドさんからスープをご馳走してもらったばっかなのにな。そんな調子で食べていると太・・・」
「ふと・・・何なのよ?」
「な、何でもありまセン」
「はあ・・・ケイン、君なあ」
昼ごろになったのでユーシスをと待ち合わせをしたホテルへと向かうべく北クロイツェン街道の門から移動しようとする。彼には悪いが与えられた実習課題は全てこなした。課題の一つは、昨晩全員が行ったレストランのオーナー、ハモンドから頼まれたスープ料理用の材料を調達するというものだ。そのお礼としてユーシスが大好物であるらしいハーブチャウダーを振る舞ってもらった。もう一つは例の如く手配魔獣の討伐で、街道の石橋付近へ向かい、さほどの苦労もなく討ち倒した。その時、マキアスがリィンと和解し、青春だと周囲に茶化されたのは記憶に新しい。そんな先ほどの出来事を追想しつつ、ケインはファミィに対してデリカシー皆無な発言をして睨まれる。ついでにマキアスからも呆れの視線を向けられてしまう。リィンとエマはそれを苦笑して見ていた。
「おい、お前たち!」
一同が和んでいたところに領邦軍の兵士が二人ほど前方から駆けつけてくる。実習でバリアハートに滞在しているトールズ士官学院の生徒であることを確認し、リィンがそれを肯定すると、手配の写真がどうのなど不穏当なつぶやきが彼らから聞こえてくる。
「士官学院1年、マキアス・レーグニッツ。それに、ケイン・ロウハートだな?」
「貴様らを逮捕する。大人しくお縄についてもらうぞ」
警戒心を強めつつ至って冷静に領邦軍を睨みつけるケインと間抜けに上ずった声を上げるマキアス。彼らと兵士の間に割って入ったリィンが何かの間違いだと抗議を申し立てるが、オーロックス砦への侵入罪を始めとした複数の容疑を名目にして二人を取り調べる権利を行使せんとさらに多くの兵士がケインらを囲んだ。
(ちっ、せめてマキアスだけでも)
「・・・妙な真似はしない方がいいぞ、破滅の王。貴様の得意なアーツもこの状況では力を発揮できまい。大人しく拘束されるがいい」
「あんたら・・・マキアスは無関係だろッ!?どうして彼が拘束されなければならないんだ!!」
挑発気味に
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