暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜呪われた魔剣〜
神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.15 ビーター
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やるよ。ついてきてもいいが、初見のモンスターに殺される覚悟をしてから来いよ?」

 それだけ言うと、俺は再び扉に向かって歩き出す。

 前半は親切心による提案。後半はあるバカに向けたメッセージだ。

 ……メッセージ、だったのだが。

 どうやら伝わらなかったようだ。

「……おい。何でついてきてんだ」

 俺は再度足を止め、振り返る。

 するとそこには、半分予想通り、半分予想外の光景が。

「何でって……あたしはルリくんの仲間だからね。キミが行くところにはどこにだってついていくよ」

「私だって、あなたたちのパーティメンバーですもの。今はまだ、だけど」

 想定内(シズク)想定外(アスナ)は二人揃って俺達についてくる気満々だ。

 俺ははあ、と溜め息を吐いて、どうやって説得をするか考える。

 結論:無理。

「キリト、どうする?」

 少し先で立ち止まっていたキリトに振ってみる。

「……諦めるしかないんじゃないか?」

「だよな」

 仕方ない。諦めよう。

 キリトと俺は無言で歩き出す。シズクとアスナはそれについてくる。

 こうしてビーター二人と女性プレイヤー二人の、珍しいものだらけな奇天烈パーティは揃って二層へ向かうことになった。

 ああ、今日はロクなことが無い。
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