第三十話 誓い
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ても声を掛けられる状態ではなかった。
その後数日間、誰とも会おうとはせず、外に出ることすらなかった。
やっと、彼が外へ出てきたとき、彼がアスナに対して無理して笑いかけていた時の表情はアスナの頭に焼き付いている。
今では、あの時程酷い状態ではないが、たまにどこか思いつめた表情で、物事にふけることがある。
「キリト君。一人で抱え込まなくていいんだよ。私たちももっと頼って……」
「ごめん」
キリトの口から出たのは謝罪の言葉だった。
「本当にごめん。でも、こればかりは俺の責任だから。俺が何とかしなくちゃ」
「……キリト君」
「それより、サーヴァントの仕業というのなら、監督役が何か知っているかもしれない。ちょうどセイバーのステータスを上げておきたかったし、第一層へ行こう!」
キリトはそう言うとアスナに背を向けて、足早に歩きだした。
まるで、もう関わらないでくれと言わんばかりに。
アスナは、彼のその姿を見ることしかできなかった。
声を掛けることもできない。
「行かないのですか?」
セイバーがアスナへと問いかける。
「ううん。行こう」
アスナは首を横に振りながらセイバーに答えた。
そして、先を歩くキリトの背中を追いかけ始める。
「(キリト君。私は貴方に何もできないかもしれない。でも……せめて君の隣を歩きたい)」
アスナはそう誓いながら、キリトを追い第一層、言峰綺礼のいる教会を目指した。
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