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横浜事変-the mixing black&white-
殺意はナイフと拳銃と言葉で紡がれる
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は変わるけどよ、なんでこの住宅街の連中は俺らの存在を無視しているんだ?普通なら俺らはもう警察の世話になってておかしくないだろ」
「ああ、それは簡単な話です」
大河内は首を周りの家々に巡らせる赤島を見ながら平坦な口調で答える。
「この辺りの無線、有線全てのネットワークは全て我々が止めました。家を出ようにも、俺らの存在はすでに既知でしょうから無理ですし」
「……皮肉だな。それと陰険だ」
「でもこれで思う存分暴れることができますよ。ああ、こちらの仲間はみんな銃にサプレッサーを付けていますから遠くまで響かないようにしてあります。良かったですね、俺が優しい人間で」
「……」
大河内は赤島の左手にいつの間にかナイフが握られている事に気付いた。愉快そうに笑い、彼も左裾からバタフライナイフを取り出す。周囲は歓声の代わりに、銃声と金属が擦り合う音が大合唱し、緊迫した二人の間を取り持っている。
最初に動き出したのは大河内だった。彼は真正面から赤島に向かって地を蹴り、右手に持ったナイフを捻らせながら、赤島の脇腹目掛けて飛び込んだ。
呼吸を乱された赤島は防御を優先し、前から迫る大河内の殺意をギリギリで躱してナイフを大河内の脇腹に突き刺そうとした。だが大河内はその攻撃を読んでいたのか、右肘を真横に回った赤島の右腕に激突させる。
「ッ、ガッ……」
小さな呻き声が耳に伝わり、大河内の頬がさらに緩む。彼の身体は赤島とは逆方向に飛び、再び二人の間に間隔が生まれた。
「今のは牽制です。まさかここで『俺は怪我人だから手加減しろ』なんてことは言いません、よね?」
「おいおい、舐めてもらっちゃ困るぜ。殺し合いに怪我もクソもあるかよ」
「その通り。俺と赤島さんは互いに殺意を持って殺し合っている」
端正な顔立ちを悪意で歪めた青年はナイフの先端を小指で弄びながら呟いた。
「これこそが我々殺し屋の日常だ。そうでしょ?」
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