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横浜事変-the mixing black&white-
殺意はナイフと拳銃と言葉で紡がれる
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思案していたところで局員の一人が室内全体に響いた。阿久津の目が再び画面に戻ると同時に、一つのパソコン画面がクローズアップされた。
そこは曲がりくねった一本道で、どこかの部屋の二階から撮っているらしかった。画質は中の下といったところで、酷くはないが良くもないものだった。フェンスなどで一部道が遮られていたりもするが、ほとんどは視認出来る。
「すでに始まっている、か」
副局長の声がトーン低めに吐き出される。リアルタイムで届いているその映像には、人と人が得物を持って殺し合うという惨たらしい光景が映し出されていた。一人は銃を片手にナイフを持ち、一人は両手に銃を握り――彼らは互いに殺す相手を決めてから動き出したようだ。道路のあらゆるところで赤黒い血液が飛び交い、まるで昔のドラマによくある大乱闘シーンを忠実に再現しているかのようだった。
「状況は整った。これより作戦を開始する。表示する内容と私が立てたプランを読み、すぐに開始」
その言葉を受けた局員の動きは非常に迅速的だった。阿久津がデータ転送した指示をすぐに読み、互いに競争し合っているのかと言いたくなるぐらい猛烈な速さで文字を打ち込み始めた。阿久津が数十分で作り上げた各員の担当プランに従って動いているのだ。
「……まったく、我々は幸せ者だよ。画面の先では仲間が命を懸けているのに、その危機感すら感じずに仕事を全うできるのだから」
阿久津は自分達を卑下した言葉を吐き捨て、それでも真剣な色を目に映してこう言った。
「だがやらせてもらう。局長の指示は絶対なんでな」
*****
同時刻 JR石川町駅前
電話越しの人間――局長に指示された駅で降車した外国人の二人。青い制服の社長は携帯を取り出し、相手が送ってきた目的地までの地図を開いた。ここから意外と距離があると判断した彼女は隣の大男を連れてタクシー乗り場に向かう。そこにはすでに何台かタクシーが止まっており、新しい客が訪れるのを待っていた。
社長は屋根のついた乗り場の真横に止まっていたタクシーに近寄り、ちょうど煙草を蒸かしていた運転手に声を掛けた。
「タクシーに乗りたいんだが」
「お、ああ、すみませんね。すぐにだし、ま……」
運転手は徐々に声のボリュームを落としていき、しまいには持っていた煙草を手から放してしまった。彼は引きつった笑みを顔に貼り付けてこう言った。
「あの、非常に失礼だと承知はしているのですが、後ろの方が腰を掛けられるかどうか……」
「心配はいらない。こいつなら横に寝させる」
大男が口を開く前に無理やり納得させる社長。しかし当の大男は反抗する態度を見せず、ボソボソと低い声を吐き出した。
「私の事はお気になさらず。あまり時
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