確認と確信、そして誤解
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し、後ろ回し、横凪ぎ、回転蹴り。
後ろ回し蹴りが盾をはね除け、ヒースクリフの胴体ががら空きになる。
「これがぁ!殺劇舞荒剣・琥珀ぅ!」
止めの一撃にライ○ーキックをお見舞いし、ヒースクリフを吹き飛ばす。
”ガィンッ”
―――――筈だった。
「なっ!?くっそ!」
一瞬で元の位置に戻ってきた盾に、俺の蹴りは防がれ、反射的に飛び退こうとした。
「はあっ!」
「ぐぁっ!」
ヒースクリフが突き出した剣が俺の肩を捕らえ、小さくはないダメージを負わせる。
しかし覚えているだろうか。
俺のステータスの振り方は攻撃と速さ。防御には降っていない。
それはどう言うことなのか。
HP 83/1267
既にレットゾーンに突入しているのだ。
「ケン!もうやめろ!」
「そうだよケン君!このままだと死んじゃう!」
キリトとアスナが俺を止めようと声を張り上げる。
なぜ駆けつけないのかと言えば、この決闘システムにはフィールド保護が採用されており、
邪魔が入らないよう、関係のないプレイヤーは近寄ることができない使用なのだ。
「……もうやめにしないかね?」
「アホ言うな……どちらかが死ぬまでだ」
「君の真意は分かった!だが勘違いをしている!」
「勘違いだぁ!?アンタのオーバーアシストで疑念は確信に変わった!」
「君の確信は正しい!だが、根本から間違いであると言っているのだ!」
「聞く耳持つかぁ!!」
俺は尚も止めようとするヒースクリフの言葉を無視し、突貫する。
「グッ……ぬぅ!!」
「花紅の一ぃ!」
「その技は!」
「紅桜ぁ!」
紅桜。
正拳突きに全体重をのせ、対象をえぐるように打ち込む技だ。
ヒースクリフは盾で防ぐも弾き飛ばされ、再度がら空きの体制となる。
「花紅の二ぃ!「私ではない!」昇………何?」
追撃で技を繰り出そうとしたところでヒースクリフの言葉に制止した。
「私では…ないのだ」
何を言っているんだこの男は。
ヒースクリフが茅場であることは間違いではない。
なら何が『私ではない』のか?
「………後で説明してもらえるんだよな」
「勿論だとも…」
そう答えたヒースクリフの眼は疲れが浮き出ており、それでいてしっかりとしていた。
俺は無言で右手を振り、リザインを押しす。
そして無言でその場を後にし、宿へと戻るのだった。
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