確認と確信、そして誤解
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
剣を抜いた。
カウントが始まり、俺は集中を開始する。
『おい、アイツは何で剣を抜かないんだ?』
『馬鹿お前、知らないのか?
アイツが攻略組の《殺劇舞荒のケン》だぜ?』
『あぁ、何でも剣よりも拳で突っ込んでくプレイヤーだよな。
たまに斬ったりもするらしいけど』
『でも団長に、しかも全損で挑むなんて……命知らずだよな』
ギャラリーが何か言っているのが聞こえる。
そのなかには20層辺りから付いた俺の二つ名が囁かれたが、今はどうでも良い。
この先ヒースクリフと決闘出来るチャンスは無いだろう。
千載一遇、この一勝負で見極める!
願わくばクリアを願って!
【スタート】
その文字が表示された瞬間に俺は飛び出した。
「てぇりゃっ!」
俺は飛び回し蹴りを叩き込んだ。
「くっ!」
ヒースクリフは盾でガードをし、空いた手、詰まり剣を持った方で反撃してくる。
「ふっ!はあっ!」
俺は蹴りの衝撃を利用して距離をとって回避。
そしてもう一度肉薄する。
「はあっ!は!は!」
そんな俺を迎撃しようと剣を振るうヒースクリフ。
俺はそれを避けながら再度飛び上がる。
「剛天!」
前宙しながら右足を振り上げ、踵落としを仕掛ける。
「ぬぅっ!」
またもや盾でガードされ、反撃に移るヒースクリフ。
俺は飛び上がって後退し、距離をとって一息つく。
「どうしたよ。まだ始まったばっかりだぜ?」
「流石だなケン君…防ぐのが厳しい」
「はっ、よく言うぜ…おらぁ!」
システムアシストを使わせるには対応できない攻撃を行うしかない。
ならば今度は連撃で!
「牙連猛襲撃!」
下からの突き上げ。
追撃に飛び膝蹴り、回転回し蹴り、踵落とし、抜刀斬りを繰り出す。
バンバンッと盾で防ぐヒースクリフ。
しかしその顔は落ち着きを示し、未だにオーバーアシストを使う気配はない。
「ちぃっ!」
突き立てられたヒースクリフの剣が俺の頬を掠め、俺のHPが数ミリ減少した。
「……これでもダメか…」
俺は肩で息をしながらヒースクリフを見る。
その表情は読めない。
言うなればポーカーフェイスだ。
「…私の実力は分かっただろう。
ここらで納めようじゃないか」
「言っただろ。ここらでクリアでも良いんじゃないかってな!」
俺はもう一度ヒースクリフに肉薄する。
「うおぉぉぉ!これで決める!」
俺は連打でヒースクリフが防ぐ盾を殴り、一瞬だけ止めて腰を落とす。
そして――
「舞い踊れ!桜花絢爛の花吹雪!
彼岸!霞!八重!枝垂れぇ!」
参考にした獲物はバトンだったが、この場合は剣で補う。
斬り上げ、斬り下ろ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ