第六章 正義の在り処編
第百九十七話 『口上戦』
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たからな。ジョン・バルコムは」
「ならば、なぜ………なぜ見殺しにした!? お前なら止められたのだろう!?」
ジグルドはそう叫ぶ。
ジョンの息子であるロボも言葉には出さないが悔しそうに顔を歪めている。
彼も当時は四歳でまだ物心はついておらずジョンのことはジグルドを通してでしか知らなかったがそれでもその武勇伝には憧れを持っていた。
だからこそロボは必死に耐えている。今か今かと牙を研いで………。
「大体にして『管理局の正義の象徴』という称号も本来なら私ではなく、ジョンに与えられるべき肩書きだった」
「何……?」
「わからんか? ジョンは私たちを逃がすためにレフティー、ロッシ、トミーと共に大軍と戦い、己の正義と信念を貫いて死んだ……」
ジグルドは一度視線をはずし、空を見上げた。
「奴こそ本物の正義を貫く覚悟を持った本物の漢だった……」
再び視線をレジアスに戻すがそ瞳には怒りが篭っていた。
「だが、現実はどうだ? マスコミ連中は彼等を唯の殉職者扱い。対して無様に生き恥をさらした私を英雄扱い……私にとって『管理局の正義の象徴』は途轍もない重荷だったよ。
そしてレジアス、貴様ならこの苦しみ……わかるのではないか? 事故とはいえ、かつてゼスト殿を死に追いやった貴様なら……!」
「!?」
そう言われてレジアスは目を見開く。
そう、それはレジアスが犯してしまった過ち……。
「そう、確かに儂の至らなさがあった。スカリエッティか……。今思えば儂もどうかしていたと思う。しかし、もう儂は二度とそんな奴とは協力はせんと誓っているのだ。そして今度こそ管理局の未来を支えていきたいのだ」
「貴様ごときが変えられるとは到底思えないがな」
「ふっ、言うな青二才が。ならば、こんなことなどをしてお前は管理局を本気で変えたいと思っているのか?」
「思っているとも。私は今まで……己が罪を……朋友を見殺しにした罪はどう償うべきかこの六年の間ずっと考えてきた……その答えをようやく見つけた。償うべき罪を……裁かれるべき罰を!!」
ジグルドの言葉を聞いたレジアスの表情は怒りに満ち始めた。
「それがこの反乱か!?こんな事をして貴様の親友が喜ぶと思っているのか!?」
「思わん! だがこれ以上胡坐をかいたら未来を担うべき多くの若者たちが評議会のエサにされるのは目に見えていた。だからこの反乱を起こしたのだ!」
「何もかも矛盾しているぞジグルド! ならば貴様の正義とは一体何だ!?」
レジアスの質問に対し、ジグルドは「フッ……」と不敵な笑みを浮かべて答えた。
「悪をなして巨悪を絶つ……それがこのジグルド・ブリュンヒルデが背負う罰であり、掲げる正義だ!!」
そうジグル
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