第六章 正義の在り処編
第百九十七話 『口上戦』
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ことである。
未来というのは不確定だ。
いついかなる時に何が起こるのかわからない。
だから準備を怠らなかった。
自身を徹底的に追い込んできた。
それが今回で成果として現れるのだ。
そう、ジグルドは心の中で思い、そして、
「ジグルド提督、来ました……」
「来たか……」
見れば機動六課前線メンバーがレジアスを連れてやってきていた。
しかしジグルドはレジアスの後ろにいる機動六課勢ぞろいの戦力に少しばかり武者震いを感じていた。
そう……たった、二十人にも満たない人数だというのにはやてを筆頭にシホ、なのは、フェイトの隊長陣、そしてヴィータ達副隊長陣、そしてフォワード陣。さらにはサーヴァント勢。
それに対してこちらはジグルド自身にタスラム、凰華、ロボ、セイラ、モリアそして六十人ほどのブリューナク隊の魔導師たち。そして総動員してあるキリングドール五百体以上。
数にしては圧倒的にこちらが有利だ。
しかし、それでも決して怯まない気の強さを感じる強者たちの姿。
その姿にジグルドは管理局の未来の一端を感じた。
だが今はそんな思いは胸の奥にしまっておくことにするジグルド。
「八神君。レジアスを連れてきたという事は私達の要望に応じるという事でいいかな?」
「いえいえ。ただの一部隊である私めがそんな簡単に管理局の全制度撤廃なんて大それたことをできるわけがありません。ですから代わりにレジアス殿をお連れした次第です」
「ほう………ということは片方だけでも応じるというわけだな?」
「それもまた御冗談を。レジアス殿はまだ管理局に必要とされているお方です。そんな簡単に見殺しにするわけあらへんです」
「では………交渉決裂ということでいいのかな?」
「いえ、まだです。ですがその前にレジアス殿があなたにいくつか言いたいことがあるそうです。聞いていただけないでしょうか?」
「………いいだろう」
はやてとジグルドの最初の口上戦はひとまずという感じでレジアスが発言することで収められた。
しかしあのまま口上戦が続けられていたらどうなっていたか想像したくないフォワードの面々は顔を青くしていたり………。
「こうして会うのは久しぶりだな。ジグルド“元”提督よ」
「ええ、確かにな。レジアス“元”中将」
お互いに役職の前に『元』をつけて皮肉から始まるあたり二人の仲の悪さが垣間見える瞬間である。
「まずはお前に言いたいことがある。聞いてもらえるか? ジグルドよ」
「いいだろう。言ってみろ」
「まずは六年前のあの事件はすまなかった。儂が気づいておれば止められたものを。ジョン・バルコムを筆頭に数名の犠牲者を出してしまった事は申し訳なく思う」
「ほう。ジョンの事を知っていたか」
「知っているとも。当時の若いものでは腕の立つ魔導師であっ
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