第十一話。女子トイレを撮影する男
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2台出した方がいいのかな?」
「そうですね。何かしら反応があるはずですから一応2台出して下さい」
「了解」
「熱くなったり、赤く光ったりはしていませんか?」
一之江と初めて会った時や追いかけられた時は熱くなったな。
取り出して確認してみたが両方とも熱くなったり、赤く光ったりはしていなかった。
「特になんともないな」
「おや。少なくとも貴方に危険はないという事ですね」
「危険を感知すると赤く光ったりするのか?」
「ええ。相手が持ち主に危害を与えるつもり満々だったり、そのロアとして取り込もうとして、なんらかの力を発生させていると熱くなります」
なるほど。
Dフォンにはロアが危険かどうか察知する機能があるのか。
……って待てよ!
「って事はあの時、一之江は俺を……」
「本気で殺すつもりでしたからね」
「やっぱりそうなんだね」
危なかった、疑いが晴れてなければ今頃、俺は一之江に……。
疑いが晴れて本当に良かったー。
「あの時は貴方が『ロア喰い』の手先である可能性もあったので、脅しも兼ねました」
「そうか。前の晩に電話に出なかったから警戒されている、と思ったんだね?」
「そうです。ロアとの戦いに慣れている『主人公』であった場合、私は全力で殺そうとしなければいけません。物語が取り込まれる前に」
『主人公』という存在は、一之江にしたらそこまで言わせるほどの要注意人物という事になるのか。
「では、そろそろ『花子さん』探しを始めましょうか。
Dフォンのカメラでトイレ内を撮影して下さい」
「ああ、わかったよ。
じゃあ撮るよ」
一之江の言う通りに、Dフォンのカメラでトイレ内を撮影し始めた。
「どうですか?Dフォンに反応はありますか?」
「いや、何の反応もないな……」
(しかし……『メリーさん電話』の逸話を持つ一之江が恐れる『魔女』と『主人公』のロアか。
『魔女』の事は詳しく解らないが、『主人公』についてはよく知らないといけないよな。
自分に関わる事だしな……)
「しかし……」
考え事をしながら女子トイレ内に俺がカメラを向けていると一之江が口を開いて______
「中学生の女子トイレを携帯のカメラで撮影する人が隣にいると言うのは、なんと言うか凄く微妙な気分になりますね」
そんな事を言ってきた。
「仕方ないだろ??」
言われると物凄く申し訳ない気分になってくる。
「まあ、モンジ弄りはこのくらいにして、本当にコードはありませんか?」
「うん、反応ないね」
「問題のトイレはどこですか?」
「確か、一番奥の個室だったはずだよ」
「では撮って下さい」
一之江
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