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101番目の舶ィ語
第十一話。女子トイレを撮影する男
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ゃないですか」

「ああ、ルールに厳しいけど、理解力のある先生だよ」

ああ、凄えー羨ましい、いい先生だよな。
一文字が羨ましいぜ。
武偵高にもこんな先生がいたら……こんな先生が武偵高に来たら1日で退職しちまうな。
奇人変人の魔窟だからな、あの学校は……。

「そういう教師に恵まれたからこそ、今の貴方がいるのですね」

「……そうだったらよかったんだけどね」

「ふふっ」

「何かな??」

「いえ。それでは早速案内して下さいね、一文字さん」

一文字さんと呼ばれて違和感を感じてしまう。

「その呼び方辞めてほしいな。何だか違和感を感じる」

「ですね。ではモンジ、とっとと『花子さんのいるトイレ』に案内して下さい」

その命令するような口調を聞くと『ああ、一之江はこうじゃないと一之江じゃないよな』と思ってしまった。

「わかった、こっちだよ」

俺は一之江を連れて噂がある部室棟に向かって歩き始めた。
しかし、名門学校の制服を着たお嬢様を中学校案内するのにまず向かう場所が部室棟の女子トイレとか、何とも不思議な光景だな。



2010年5月12日。午後17時10分。

部室棟に向かう途中で俺は、この中学校、『十二宮中学校』に伝わる『花子さん』の噂について簡単に説明する事にした。

「部室棟っていうのは、取り壊されない事が決まった旧校舎なんだよ」

「ああ、つまり昔からある校舎だから、そこのトイレに『花子さん』がいるっていうケースですね。よくあるベタな話しなのでバッチリです。戦前からある建物って噂はありますか?」

「正にそういう噂がある建物だね」

「戦時中に子供が神隠しに遭ったとかも?」

「正にそういう噂がある建物だね」

「ベタベタですね。バッチリです」

つまりそういう話しだった。
古い建物に纏わる噂話や怪談なんてあまり変わらないのかもな。
この中学校ではそれなりにみんな怖がり、女子達はそのトイレには近づかなかったくらいだ。

「ベタであればあるだけ、その能力も強いのですよ」

「有名な方がいいんだったね、ロアにとっては」

「はい。なので、まあ気をつけて下さい」

一之江が俺を心配するくらい『花子さん』の能力は恐ろしい、という事なんだろう。
俺は記憶の中から『花子さんに遭った時の対処法』を思い出していた。
確か花子さんの質問に、何か上手く返事をすれば大丈夫とか、そんな感じの対処法があったはずだ。
この中学校の花子さんは返答に失敗すると便器に引き込まれるというタイプだったので慎重に返事しないと大変な目に遭う。

そんなこんなで、校舎から少し離れた場所にある旧校舎、部室棟に辿り着いた。
部室棟を見ると、如何にも何かいそうな雰
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