第04話 双璧のカイエン
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がいるとはな」
カイエン、いや、ジスタはつぶやいた。
剣を逆手にもったまま声の方向を向いた。
「何者じゃ?」
ジスタはその男に訊いた。
「私は″草薙 洋一″。あなたも知っているごく普通の日本人です」
「何?日本人じゃと?」
草薙の一言にジスタは思わず訊き返した。
「彼らも生きています。ここはあなたの戦場ではありません。
退いていただけませんか?」
草薙はジスタに相談した。
「もし断ったなら?」
ジスタがそう訊くと、草薙の手の中には剣が握られていた。
「私がお相手いたしましょう」
ズザッ!
そうつぶやくと同時に草薙はジスタの前に現れた。
「何ッ!?」
ガキィィンッッ!!!
二つの剣が激突し、衝撃で周りの空間が弾け飛んだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
そして、軍人たちも風圧によって壁まで弾き飛ばされた。
それにより、彼らは全員気絶してしまった。
ギギッ ガリリッ
草薙の振り下ろした剣をジスタが逆手に持った剣で受けていた。
二つの刃が拮抗しており、二人は互いに動けずにいた。
「おぬし、″セイバー″を持っているのに日本人とな?」
「はい。嘘は言っていません」
「″セイバー″はワシらの国でしか発現せんのにか?」
「そこは‥‥‥‥‥‥‥察してください」
このような状態でも会話は行えるようだ。
「しかし、おぬし本当に人間なのか?ここでは敵なしじゃろう」
「そうですね」
ジスタは本音をぶちまけた。
「ワシはセキレイたちを応援したいんじゃ」
「私もですよ」
「‥‥‥‥‥‥‥は?」
ジスタはその言葉に耳を疑った。
草薙はそういうと自ら剣を下ろした。
ジスタも剣を下ろした。
「私も彼らが出て行くことを願っています」
「いや、でもワシらさっきまで敵対しとったよな?」
「それは彼らを衝撃で気絶させるための手段です」
草薙はさらっと言った。ジスタは眉をひそめた。
「ワシを騙すとは、おぬしなかなかやるな」
草薙はそれを聞いて笑った。それを見たジスタも笑った。
「さて、カイエンさん。あなたはどうしますか?」
草薙はジスタの名をカイエンと呼んで訊いた。
ジスタ、いや、カイエンはしみじみとした顔で答えた。
「やっぱりこの名の方がしっくりくるのぉ。
ワシはこのせま苦しい監獄を出させてもらうよ」
「そうですか。では‥‥‥‥‥」
スッ‥‥‥‥
草薙は剣を持ったまま腕を差し出した。
西洋刀の刀身に天井の照明が反射して輝いていた。
「ん?なかなか良い剣じゃな。刀身の輝きが何とも‥‥‥‥‥」
「″|草薙の剣《クサナ
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