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鎧虫戦記-バグレイダース-
第04話 双璧のカイエン
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「うん。博士が着ておけって言ってたから着てたの」

ハトはセキレイに抱えられたまま言った。

「そう言えば、傷は大丈夫そうか?」

ヒゲ中年はハトに訊いた。

「ちょっと痛いけど、すぐ治ると思う」

ハトは身体を軽くさすりながら言った。

「頼もしい女の子だな」

ヒゲ中年は笑いながら言った。
二人もそれを聞いて笑った。


「ほれ、そこの青年」

セキレイの前に謎の老人が立っていた。

「止まるんじゃ」

彼がそう言ったので、セキレイは立ち止まった。
ヒゲ中年も泳ぎを止め、床の上に上がった。

「イヤ、マジで止まるんかいッ!?」

謎の老人はツッコんだ。本当に止まると思わなかったらしい。
確かに、セキレイの風貌から素直に止まる者とは思えない。

「まぁ止まるんならいいんじゃが。今からワシの部屋に来なさい」

謎の老人は突然セキレイたちを誘った。

「ここから先にも奴らはウヨウヨおるからのぅ。そこの娘の治療が先じゃ」

彼は良い老人のようだ。セキレイたちは彼に着いて行くことにした。



    **********



三人は和室のような所に連れられた。

「おじいちゃんありがとう♪」

ハトは足に包帯を巻いてもらったようだ。
彼女は老人に礼をした。

「礼には及ばん。当然のことをしたまでじゃ」

老人を手を横に振り言った。

「じいさん、あんたは何者なんだ?」

セキレイはどストレートな質問をした。

「ん、ワシか?」

老人は自分を指さして言った。

「ワシは″海炎(カイエン)″。ここの護衛を任されておる」

なんと謎の老人ことカイエンは護衛であった。

「アンタもしかしておれ達を騙したのか!?」

セキレイはカイエンに訊いた。

「ワシもボンクラ共だったら捕まえようかと思ったら
 まだ若い女の子と青年と中年ではないか!」

カイエンは目を見開いて言った。

「おまけにその女の子は撃たれとるしのぅ。可哀想に」

彼はハトの足をさすりながら言った。

「おじいちゃんって何でここにいるの?」

ハトはカイエンに訊いた。

「ワシが“ここ”に来てから戦っとったら、いつの間にかみんな帰っていて
 今はここでつつがない毎日を送っとる」

カイエンはさりげなく言っていたが
セキレイは彼の言った意味に気付いていた。

「アンタってもしかして″侵略虫″か?」
「んん、そうじゃよ」

彼の問いにカイエンは大きくうなずいた。

「‥‥‥‥‥‥‥‥はぁ!?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥えぇ!?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥何ィ!?」

三人は別々の言葉を同時に叫んだ。


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