第04話 双璧のカイエン
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「お兄ちゃん‥‥‥‥‥大丈夫?私重くない?」
ハトはセキレイに背負われたまま言った。
「軽い軽い♪少なくともさっきよりはな、ハハハ」
セキレイは笑いながら答えた。
「だが、まさかこんなことが起こるとはな‥‥‥‥‥‥」
ヒゲ中年は数十分前を思い出していた。
数十分前――――――‥‥‥‥‥
「俺にこんなことして、後で後悔す――――――――」
バキッ!
セキレイがサバキの顔に蹴りを打ち込んだ。
「ロープでグルグル巻きの刑と人間サンドバッグの刑、どっちが良い?」
セキレイは笑いながら訊いた。しかし、目がすわっていた。
彼なら本気でやりかねないと感じたサバキは黙り込んだ。
「それでいいんだ」
セキレイはサバキの口に布を巻いた。
これで彼は声を出せなくなった。
「‥‥‥‥‥‥やっぱもう一発打ち込もうかな?」
セキレイは拳を握った。サバキは慌てて顔を横に振った。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥嘘だよ」
セキレイは笑った。コイツなら絶ッ対にやりかねない、とサバキは思った。
「それより725号。ハトは大丈夫そうか?」
セキレイはヒゲ中年に訊いた。
ヒゲ中年はハトの身体を見回しながら答えた。
「弾はほとんど外に出てるし、彼女の再生力は相当のモンだな」
ハトの周りに弾丸が落ちていた。おそらく傷口から落ちた物と思われる。
彼女は血塗れだったが、意外と軽傷で済んだようだ。
よく考えたら一般人の6倍も大きいのだから当然でもある。
「痛いよぉ‥‥‥‥‥おじさん、セキレイお兄ちゃん」
ハトは身体を押さえながらゆっくりと体を起こした。その時――――――
ボンッ!!
ハトの身体から煙が噴き出した。
「おわっ!何だ!?」
セキレイとヒゲ中年は突然のことに声を上げた。
煙が晴れると、そこにハトの姿がなかった。
「は、ハトが消えた!?」
「私はここにいるよ?」
ハトの声が聞こえたので二人は上げていた首を下ろした。
そこには小さくなった普通の人間の大きさの彼女がいた。
「小っちゃくなっちゃった、えへへ」
彼女は笑いながら言った。
「ハトが小さくなったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
二人は大声で鋼の天井に向かい叫んだ。
そして今――――――――‥‥‥‥‥‥
「それにしても、そのスーツは伸縮自在なのか?」
ハトの着ていた服はそのままの大きさだったが
中に着ていたウエットスーツ的なものは小さくなっていた。
スーツは黒の半袖半ズボンの長さで、所々に白いラインが走っていた。
とりあえずセキレイたちは、彼女の服をあのまま置いて走っている
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