一つ目の急展開
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だった。
何故……と、よく見るとガーネット色の火の粉が、右に左に飛び散っているのが僅かだか確認できる。つまり、リヴァイアギルディの突きに合わせて少しずつ腕を動かし、全てを防ぎきっている元に他ならない。
その芸当を可能とさせる防御力と敏捷性、並みの者ではないだろう。
「ならば……これはどうだぁぁぁあああぁぁっっ!!!」
一瞬槍が触手状に撓んだかと思うと、咆哮と共にち間までとは比べ物にならないパワーを込めて突き放たれた。
余波で地を削るその一撃に、相手はガーネット色の炎腕を片方下げてもう一方を突き出すのみ。
まさか!? とリヴァイアギルディが疑念半分驚愕半分の感情をいだいたその瞬間―――
「『stulbs……』」
そのまさか……片手でその一撃を掴みとり、少しばかり押したものの止められてしまったのだ。
そしてもう片方の手で少し離れた場所を掴み、何と引きちぎってしまった。
「ぬ、ぐああああああぁぁぁぁっ!?」
痛みにもだえる暇も無く残っている部分を鷲掴みにされ、ハンマー投げの要領ながら片腕で振り回されて投げ飛ばされる。
追い打ちにと投げた勢いに一足で追いついて、拳を腹部へ叩きこまれる。
枠組みが違う、実力が違う、格が違う……それを相対してからヒシヒシと感じてはいたものの、リヴァイアギルディはその肌を突き刺す感覚が何であったのか、何を伝えてきたのかを今になって理解した。
あれはつまり “誇りも捨てて逃げろ、奴には絶対に勝てない” という警告だったのだ、と。
部下が行方不明になった理由も恐らくは今戦っている敵が行ったモノであろう……いや、そうとしか思えない。
アレほどの実力があれば、悲鳴もあげさせずに瞬殺するのは訳ない事だと分かる。
「ぐ、ま、まだ死ぬわけにはァァ……ァッ……ぐっ?」
立ち上がろうとしたリヴァイアギルディの体が不意に止まり、次いで浮遊する様なというより “何かに持ち上げられた” 様に、唐突に彼の体が宙に浮いた。
刹那、耐えがたいほどの苦痛と、煉獄に放り込まれたが如き灼熱の空気が彼を襲う。
「ぐぎゃああああぁぁぁあああっ!? な、なにがあああぁぁぁっっ!?」
薄く、本当に薄く『ガーネット色の何か』がリヴァイアギルディを掴んでいるのが分かるが、今の彼には自身の状況を俯瞰している余裕も無い。
相手はまるでリヴァイアギルディを“掴んでいるかの様に”持ち上げる動作の行い、三度小さく呟いた。
「『nenosprosto……Also urge……Nav koment?ru neka
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