一つ目の急展開
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てきたのはツインテイルズのフィギュアでは無く、瀧馬の変身後の姿であるグラトニーのフィギュアだったのだ。
左手を前方に突き出し、咆える様な表情を向け、空気の様なクリアパーツが掌の先に付いているので、恐らくこれはグラトニーの技の一つ『風砲暴』を再現したフィギュアなのだろう事が窺える。
そこ後幾つか開けるとテイルレッドがポーズ違いで数種、グラトニーも単なる立ち姿でもう一つ出てきた……が、肝心のツインテイルズであるテイルブルーが無かった。
まさか……? と、嫌な予感を覚えた瀧馬は次いでデフォルメされたフィギュアいり食玩を開ける。そして全部並べて確認し―――炎のクリアパーツと共に剣を構えたテイルレッド、泣き顔のテイルレッド、笑顔のテイルレッド、空気のクリアパーツを纏った瞳孔の小さいのグラトニー、犬の様な雰囲気を醸し出しながらマンガ肉に食らいついているグラトニーはあったものの……やはりテイルブルーの物は一つとして存在していない。
「……もしかして、テイルブルーはないのか?」
『そう判断するのは早いゼ。後ろを見てみなヨ相棒』
「そうだな……どれどれと……」
後ろに書いてある内容は入っている可能性のあるフィギュアの種類に関してであり、数文に一スケールはテイルレッド五種にグラトニー二種+シークレット、デフォルメの方はテイルレッド五種にグラトニー三種+シークレットと書いてある。
これだけで、瀧馬はこの状況がなぜ生まれたのかを悟った。
「つまり、このシークレットってのが……」
『テイルブルーってこったナ。しかも一種類』
「……普通、シークレットってのは結構珍しくて出づらく、出たら嬉しい物なんだが……」
『まあコレは出ても流石に喜ばねぇよなァ。だからシークレットにしたって事なんだろうがヨ』
「出ても喜べないシークレットっていったい何なんだ……?」
余りと言えば余りにも不憫になってきたか、これからは少しでも嫌われるよう努力しようかとすら、瀧馬は思ってしまっていた。
テイルブルー……もとい津辺愛香、彼女とて頑張っているだろうにこの扱いは幾らなんでも酷過ぎる。
まあ、擁護出来ない一面を晒してしまった事もあり、瀧馬とて我に返るともう溜息を吐くしかする事が無かった。
結局色々と諦めたか、チョコレートスナックを再度開けて、牛乳を注いで食べ始めるのだった。
しかし、そんなのんびりまったりとした空間を切り裂く一言を、瀧馬は不意に口にする。
「……アイツらに……ツインテイルズに何時伝える?」
『単純感情種の事カ?』
「ああ。本気で洒落にならない事態だからな、伝えないって言う選択肢は端から放り投
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