最後のページを閉じたなら
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座る。
「ま、予想通りかな。そうでしょ参謀ちゃん」
「大体は。ザイールさんは元々このギルドに長居する気はなかったようですし、ムサシさんの方も……」
音1つ立てずに現れた“宙姫”ルナ・コスモスに驚く素振りも見せず、マミーは「やっぱりかー」と笑う。
そんな彼女とは対照的にどこか落ち込んだような表情のルナは、沈痛な面持ちで口を開く。
「私の策が違っていたら…ザイールさんはともかく、ムサシさんは……」
「んな事言ったって仕方ねえだろ。もう終わっちまったんだ。殺し損ねた獲物に用はねえし、死んだ奴なんざどうでもいい」
吐き捨てるように言った“極悪なる拘束者”ヒジリ・ファルネスに同意するように頷いたのは、“太陽の殲滅者”シオ・クリーパー。殲滅担当の彼女には共感出来る点があったようで、変わらない眠そうな顔で宙を見つめる。
「そのー、通りー。死んだー、奴はー、殲滅ー、してもー、面白くー、ないよー」
「それは解るかなー。やっぱりさっ、死に怯える顔っていつ見ても無様なんだよねえ…ま、アタシはそれを求めてるから人間殺すの好きだけど」
くつくつと笑うマミーを止める者はいない。少し前までは「少し自重しろ」等とザイールが止めていたが、もう彼はこのギルドにはいない。
「全員集まってるようだね」
そんな空気の中現れたのは、災厄の道化のギルドマスター、ジョーカーだった。
オッドアイを煌めかせる彼は、告げる。
「血塗れの欲望からの指示だ。“白き遺産”について調べろ、とね」
その言葉で、道化師達は動き出す。
黒ずくめの彼は、歩いていた。
顔を黒い布で隠し、目元だけを見せて、彼は歩く。行く宛てはない。目指す先もない。
―――――罪を償ったら、シュランちゃんに会いに来てくださいね。
―――――シュランちゃんと一緒に、ジュビアも待ってますから。
それを思い出して、笑みを浮かべる。その笑みは自嘲に近い。
罪を償ったら、と彼女は言った。一緒に待っているとも、言った。彼が大切にするあの少女と、一緒に。そしてそれに、必ず会いに行くと言った。彼女は聞いていなかっただろうけど、確かに言ったのだ。
けれど、彼はそれから逃げている。会う事から、逃げている。
(滑稽だ、本当に)
会いたかったはずなのに、彼女に近づいてはいけないと彼の中で何かが告げていた。彼女には今の暮らしがある。そこに、少し関わっただけの自分が入り込むスペースなんてない。
慕う彼の傍にいて、まだ馴染めていないけど居場所もある。そこに自分が入れば、彼女はきっと思
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