コヨミフェイル
007
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という意見があるようだが、僕はそれに大いに反対する。いいことなんてない。
くそっ。こんなことならブリッジをしない方がよかったぜ。
こうなったら八九寺と戯れるしかない。
だが、まだだ。この体勢からではラグが大きすぎる。
機を見極めるんだ。
「おっ、八九寺じゃねえか」
焦りを押し殺してできるだけ平静を装った。
「はい。全くもってその通りなんですけど、もう一度聞きますよ、阿良々木さん。何をしているのですか?」
八九寺は再び怪訝そうに訊いてきた。
「これはだな――」
「ああ!もしかして究極の土下座の探求中でしたか?これはこれは失礼しました」
完全に合点がいったと言ってるかのような晴れやかな顔で言った。
それはもう清々しいぐらいの晴れやかな顔で。
「いや、違うんだ!これは、あの人間兵器の妹の繰り出した頭ぐらい吹き飛ばしそうなほどの攻撃を驚異の瞬発力と柔軟さでよけた結果なのであって、僕は歩道の真ん中でブリッジして土下座の探求をしている高校生では決してないんだ!信じてくれ!」
必死に弁明。
挙動不振の高校生という汚名だけは払拭しなければならない。
「その原因はあなたにあったと思いますが……」
一部始終を見ていたのかよ。
だったら何で訊くんだよ。
「それより、葛城さん」
「人を国連直属の非公開組織特務機関ネルフ本部の戦術作戦部作戦局第一課所属の独身のおねーさんみたいな名前で呼ぶな。僕の名前は阿良々木暦だ」
「失礼、噛みました」
「違う、わざとだ……」
「噛みまみた」
「わざとじゃないっ!」
「噛み裂いた」
「何をっ!」
「神裂いた」
「お前はエヴァ初号機だったのか!!」
いや、エヴァが屠ってきたのは神じゃなくてその使徒だったけか。
「とにかく、阿良々木さん」
と、言って八九寺は話を戻した。
「その恰好は阿良々木さんが思っているほどかっこよくはありませんから、御控えした方が宜しいかと存じ上げます」
「この恰好がかっこいいと思うのは僕の妹しかいねえよっ!」
「ああ、そうでした」
思い出したように八九寺は言った。
「阿良々木さん。妹さんが韋駄天の如く駆けて行きましたが、どうするおつもりなんですか?」
「どうするもこうするも、止めるしかねえだろ」
背中から土を落しながら、言った。
結局一度地面に背を付けてから立ち上がったのだ。矢張りいつぞやの火憐のようにはいかないのである。
何か悔しい。
「それは訊かなくともわかっています。そんなことを訊いているのではありませんよ、阿良々木さん。私が訊いているのはどうやって止めるのかですよ」
「ああ……そうだな……。それは考えていなかった。まあ、それは八九寺と恒例の挨拶のハグを交わし
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