コヨミフェイル
007
[16/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
がいるのだ!
「だったら僕に彼女がいることをどう説明するつもりだ!」
「それは追い込まれた犯人の口にする台詞じゃろうが。お前様がシスコンであると言っているようなもんじゃぞ」
「ま、まさか……そんな!なら、僕は一体なんなんだ!」
戦場ヶ原と付き合っていて、羽川を尊敬していて、忍はパートナーで、神原が大好きで、八九寺が本命で、シスコンなんだよな。
「変態じゃな」
「そんなことわかっていたことですよ、忍さん」
「じゃな」
仲の悪かった忍と八九寺が頷き合う。
「………………」
確かに今日は散々変態呼ばわりされたもんな、僕。本人の知らぬ間に既成事実になってたんだな。
これじゃあ神原のことは言えない。今まで散々変態と言ってきたことを謝らなければならないだろう。
「私は阿良々木さんがどんな人間だろうと、嫌いになりませんから」
「付き合っている人から驚くべき事実を告白された人の口にする台詞を言われてもな…………」
フォローになっていない。
「自分が変態だと自覚していない変態ほど質が悪いものはないですよね」
「だからと言って罵倒してほしいわけではねえよ!」
「圧してもダメ。轢いてもダメならどうすればいいんですか!」
「どうもしなくていいよ!」
何してんだよ!怖えよ!
「おい、変態様よ。幼女と戯れとらんで、愛しの妹にさっさと電話を掛けんか」
「色々と語句や修飾語が酷くなっている!」
パートナーと思っていないだろ!
今回は僕がどこまで罵倒に堪えられかを検証する回なのか?
「わかったよ。さっさと掛ければいいんだろう、掛ければ」
デートに行く約束をしたこと以外に今朝から何一ついいことがないなあと思いながら月火に電話を掛けた。
「お兄ちゃん、見つけたの!?」
一度目のコールが鳴り終わる前に月火の上擦った声が聞こえてきた。
火憐の彼氏が見つかったのかと訊いているのだろう。
「いや、まだだけど」
「だよね。お兄ちゃんはお兄ちゃんだもんね」
僕の言葉で落ち着きを取り戻した月火が冷めた声で言った。
急転直下の落ち着き方である。
「何だよそれ」
僕が変態だからと言いたいのか?
お前もそうなのか?そうやって僕を蔑むのか?
「だけど、見つけてくれようとはしてるんだね、ありがとう」
「お、おう。というか、そうしていると思っているから第一声がああだったんだろ」
「いや、お兄ちゃんのことだから火憐ちゃんが失踪したら必死に探すのだろうけど、彼氏となるとほっとくのかなあと思ってたら電話がかかってきたから、もしやと思ったの」
「馬鹿が。火憐ちゃんが失踪しようが疾走してようが知ったこっちゃねえよ。今回僕が動いているのは気まぐれだ」
「嘘付き。神原さんからお
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ