第201話 藍色の妖精と桜色の妖精と夕日色の妖精
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間を灼熱の炎が通過し、悪魔の左頬に直撃した。悪魔は炎の反動で右側に倒れ込んだ。悪魔が倒れたのと同時に砂埃が舞い上がり、隊員達の視界を妨げた。
隊8「ゴホッゴホッ!」
隊9「ケホッ、ケホッケホッ・・い、いったい・・・ケホッ、誰が・・・?ケホケホッ。」
咳き込みながら、隊員達は目を凝らして炎を繰り出した人物を探す。
徐々に砂埃が消え、炎を繰り出した人物の姿が確認出来た。桜色のツンツン頭に、白い鱗柄のマフラーを首に巻いた妖精が1人と、夕日色の髪の毛に、同色の大きな瞳を持った妖精が1人―――――。
隊10「ナツ様とマヤ様!」
隊11「な、なぜお2人が、こんな所に・・・?」
目の前で暴れまくっている悪魔と同様に、突如姿を現した妖精の尻尾一の問題児であるナツと、年中無休テンションMAXな事で有名なマヤの姿を見て隊員の1人が問うた。が、
ナ「おうおう、随分と暴れまくってくれてんじゃねーかよォ。」
マ「あーあ、せっかくの綺麗な街が台無しじゃん。これじゃあ“観光スポット”じゃなくて、まるで“戦争記念スポット”じゃん。」
隊員の問いが聞こえなかったのか、それとも敢えてスルーしただけなのか分からないが、ナツは目の前で盛大に暴れている悪魔を見て指の関節をポキポキ鳴らし、マヤはこんな状況だというのにも拘らず、思った事を正直そのまま述べている。悪魔は2人の姿に気づいていないのか、腕や足を振るい建物を破壊し続けている。
瓦礫化としたクロッカスの街を見て、呑気な感想を述べていたマヤがゆっくりと目を閉じ言葉を紡いだ。
マ「我と契約をした全ての動物達よ、ここに姿を現せっ!」
呪文のような言葉を紡いだ後、ピィーーーーーーーーっ!とマヤは指笛を吹いた。繊細で、透き通るような音が響き渡る。
すると、遠くの方で砂煙が上がっているのが見えた。隊員達が目を凝らしてよく見てみると、ライオンや大熊、鷲や犬、猿や鹿、狼やうさぎ、馬や狐、地上にはいないはずのイルカまで!マヤと契約を交わしている、数え切れないほどの動物達がこっちに向かって全力疾走で駆けていた。
隊12「な、な、な・・・何だアレはーーーーーっ!?」
隊13「ど・・動物・・・?」
隊14「な・・何で、イルカまで・・・?」
隊15「つーか、何て数だ・・・」
目を見開いたり、言葉を失ったりしている隊員達を押し退け、駆けつけた動物達はマヤとナツを取り囲んだ。
犬のジョンはマヤの頬を舐め、ライオンのキングはナツの頭に噛み付き、大熊のドランは大きな手でマヤを包み込み、猿のノズはナツに飛び掛る。
ナ「お、おいマヤ・・・お前、こんなに契約してる動物達、こんなにいたのか・・・?」
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