第201話 藍色の妖精と桜色の妖精と夕日色の妖精
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ウェンディと悪魔は、しばらくお互いの視線から目を離さなかった。
すると、悪魔の口元に薄く笑みが浮かんだ。
悪魔9「我輩は人間ではないが・・・貴様のその勇敢さは素直に認めよう。そして、その勇敢さに我輩も応えてやろう。我輩の命か貴様の命、どちらかの命が尽き、地獄に堕ちるまで、この場からは離れぬと約束しよう。」
悪魔の言葉にウェンディは目を見開いたが、すぐに頷いて見せた。
お互い、その場に身構え戦闘体勢を取る。
エア「我輩の名は“野望の悪魔”エアガイツ。貴様は?」
ウェ「魔道士ギルド、妖精の尻尾の魔道士―――ウェンディ・マーベルです。」
エア「ウェンディ・マーベル・・・良い名だ。」
“野望の悪魔”エアガイツが短く呟き終わったのとほぼ同時に、2人は小さく地を蹴り駆け出した。
今、勇敢なる、傷だらけの藍色の妖精が、“野望の悪魔”に立ち向かう―――――。
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―クロッカスの街 東側―
この戦いは、いったい何時まで続くのだろう―――――・・・?
仲間は皆、無事だろうか―――――・・・?
今はいったい、何時だろう―――――・・・?
そんな小さくもあれば大きくもある疑問が脳裏を過ってしまうほど時はいつの間にやら随分と経っていた。
“クロッカス”という名があるこの街は、既に“街”という面影を失くしてしまっている。“建物”と呼べる建造物も、“木”や“草”と呼べる植物までも、その面影を失くしてしまっている。酷い所では、更地になってしまっている場所まである。
そんな面影が全て消え失せてしまったクロッカスの街中をナツは歩いていた。ナツの背中にはマヤがすっぽりとその大きな背中に納まって背負われていた。
マ「・・ね、ねぇナツ・・・もう下ろしても大丈夫だよ?ナツももう疲れて」
ナ「なんかねーよ。」
マ「答えるの速ッ!」
「疲れているんじゃ・・・?」と言おうとしたマヤの言葉を最後まで聞かずに遮るようにナツは口を開いた。もちろん、その言葉どおりマヤの事は下ろさない。
マ「・・・あーもう!さっきも言ったけど私これでももう18歳なんだよォ!?恥ずかしいし重いし、だから早く下ろ」
ナ「やだね。」
マ「だから答えるの速い!」
「下ろして」と言おうとしたマヤの言葉を、再び最後まで聞かずに遮るように否定の言葉をナツは口にした。
ナ「あのなー、お前ホントに18
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