第201話 藍色の妖精と桜色の妖精と夕日色の妖精
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い。」
妖怪、という存在を初めて目にするハマナス、ツツジ、リキ、カリン、トビー、ユウカはまじまじとてんぐと座敷わらしを交互に見つめる。てんぐは緊張気味だが、座敷わらしはこんなに大勢の人間を見た事が無いらしく、違う意味でハマナス達の事を交互に見つめていた。
カリ「1人で大丈夫ですか?」
カリンが心底不安そうに問うと、ウェンディは困ったような笑みを浮かべた。
ウェ「・・・正直言うと、すごく怖いです。でも、違う場所で妖精の尻尾の皆さんが戦っているんです!私だけ逃げたら、情けないし、街も命も平和も守れませんから。だから、皆さんはてんぐさんと座敷わらしと一緒に、一刻も早くこの場から離れて安全な場所まで非難して下さい!お願いします!」
ハマナス達は目を見開いた。
こんな小さな少女のドコに、そんな強い想いがあるのだろう?そして、自分達はなんて情けないのだろうと―――――。
リキ「・・・ここは、ウェンディさんに任せた方が良いと思う。」
ウェ「!」
ツツ「確か、ウェンディ様の魔法は天空の滅竜魔法。“滅”だから、悪魔も簡単に滅する事が出来るかもしれませんからね。」
ユウ「本来滅するのは“竜”だけどな。」
カリ「細かい事は気にしない気にしない。」
トビ「気にしろよっ!」
ハマ「それに、私達の魔法はあの悪魔には痛くも痒くもないみたいですし、バッカスさんもあの様子じゃ、何の力にもなりませんからね。」
ウェンディはハマナスの言葉でバッカスが伸びている事を初めて知った。
ハマ「ウェンディさん、後はお任せしますね。」
ウェ「はい!皆さんもどうか気をつけて。」
ハマナス達はてんぐと座敷わらしに連れられてこの場を去っていった。座敷わらしがツツジのお腹を気に入ってしまった為、ずーっとツツジのお腹に抱き着いていたのは余談だ。
ウェンディはハマナス達の姿が完全に見えなくなったのを確認し、視線を悪魔に移した。悪魔は口を一文字に固く結び、巨大な鉄球を構えたままウェンディの事を黙って見つめていた。
悪魔9「・・・先に言っておくが、我輩達悪魔は、貴様等人間が倒せるような存在ではない。」
まだウェンディは一度も悪魔に攻撃をしていない。それなのに、鉄球を持つ悪魔は既に勝利を確信している。
ウェンディは両手を固く握り締めた。
ウェ「いいえ、どんな手を使ってでも、何が何でも必ず勝ちます!」
握り締めた拳を開くのと同時に、ウェンディは両手に風を纏い腕を横に大きく広げた。
ウェ「私があなたを倒さなければ、この街も、多くの命も、平和も、私の大切な人達も、全て消えちゃうから・・・だから!私が動けなくなるまで・・・いいえ、命が尽きるまで足掻きます!私は必ず、あなたを倒します
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